その指輪は・・・・・なくなってしまったんです。


部屋から消えてしまいました・・・・。


ショックだったけど、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宝石をなくしたときは、厄払いといいます。


私の身代わりに・・・・。


宝石は働けばまた買える。


あのパライバは本当に大切な宝石だったけど、あの石に恥ずべき思いは残っていないから。


私は、あの宝石のおかげで、成長できたんだと思います。






『うちの会社においでよ。一緒に南青山で働こう。営業部門で。』

 

2度目のイベントの初日・・・・再会したそのひとは、部長という役職になっていて・・・・・私に言った。


冗談だろうと思った。


からかわれてる・・・。


私みたいな田舎の人間を・・・・。


でも、周りのスタッフのかたがたにも、『本気な話だよ』と言われ・・・・考えました。







東京・・・・。


田舎の人間にとって、18歳でい上京しなければ、死ぬまで住む事のないのが『東京』。


25歳。


車の営業、7年。顧客様、250名。


(車屋さんは200名顧客様がいれば安泰と言われてました。)


もう土台はできてる。胡坐をかいて仕事しても食っていける。


地元の車屋さん(トヨ○中古車)の所長にも、もっといい条件でうちに来いと言われてました。


転職は、無きにしも非ず・・・・とは思っていたけど。



上京・・・・・・?


いまさら?


しかも今までの作り上げた土台を捨てて?


やっていけるの?


誰も知らないところで。


家族も、友だちもいない場所で。


やったことない仕事で・・・・・????


貯金は、パライバの支払いを残一括で使い切ってしまった。










・・・・・・・・・・・・。










でも、私はワクワクしていた。


マイナスの要素を一生懸命探しても、確固たる理由にはならなかった。


私に宝石を教えくれた会社、人。


新しい土地で・・・・・私の力なんて通用するのだろうか・・・・?


でも・・・・私も、宝石を通して、人生の成長のきっかけを伝えたい。


宝物を作れる機会を、伝えられたら、なんて・・・・・素敵なんだろう。


やってみたい!伝えたい!!!






これが・・・・きっと最後のチャンスだ。


東京で私は通用するだろうか?






最終日・・・・。  


『人生をよりよい方向に、導いてくれる石』


アレキサンドライトと出逢いました。


『無理に買うことないよ』


欲しそうな目で首元に光るアレキサンドライトを見つめる私に、その人は言いました。


貯金は使ってしまった。持つなら、当然分割。


欲しいけど・・・・・・・。


すべての状況が変わるのに・・・・・・・・・・生活してみてもないのに、大丈夫・・・・?


正直、一瞬よぎった。


けど、すぐに考え直しました。






『これが買えない(買える自信がない)なら、東京いったところで、何ができる?』






私が、私を奮い起こすために言った言葉。


3年。


3年がんばって、何も結果が残せなかったら、きっぱりあきらめて帰ってこよう。


でも3年たつまでは、絶対に逃げ帰ったりしない。


どんなことがあっても。




『支払い回数は・・・・・36回でお願いします。』




きちんと支払いが終わるまで、絶対にがんばるんだ。


この宝石を惨めに持ってしまう結果を作らないために。




社員になってから買えば世かったんじゃん?安くなんじゃん?





そうかもしれません(笑)。


でも頭の中にはそんなことはなかった。


損得で買うものではなかったんです。


お金ではなく、決意で買った宝石です。


今考えればたいした金額ではない、そのジュエリーは、


56万円。


しかし、そのときに私が背負う『リスク』としては十分な金額でした。



決意のアレキサンドライトは、無事支払いを終え、私の手元に残っています。


泣いたり、悔しかったり、つらかったり、楽しかったり。いろんな思いが凝縮された宝石。


私が、『挑戦』して得た証です。



3年目に主任に昇進させていただいて、結局実家に帰ることもなく、


(一度は結婚の準備で辞めさせて頂いたものの・・・・・(笑)。本社の社長より2ヵ月後、携帯に電話があり、出戻って、復職。今の彼ちゃんと出会って、結婚は取りやめ・・・)


まだお世話になっています。




私が東京に行くと言ったとき、


驚いていたけど・・・・両親はすんなり許してくれました。


18歳の時、『東京にいきたい』って言ったときは、反対された。


理由『長女だから』


家業がなくても、名を、墓を守って受け継ぐのが普通の、古い古い田舎でした。




『やりたいことを、やりたいようにやれ。今しかできないんだから。』


たった一言、TVをみながら背を向けたまま父は言いました。


母は、黙って20万円くれました。


両親には25年間ぬくぬくと育ててもらって、愛してもらって感謝の気持ちでいっぱいでした。


 



『いつでも帰ってきていい。意地なんて張らなくていいから』





意地っ張りの絶対帰ってこない私だって、わかってるからこそでる言葉です(笑)。



『3年頑張ってだめなら素直に帰ってくるから。』





私の誇りともいえるアレキサンドライトは・・・・・・


結婚式の日、母に贈るつもりです。



女性として立派に育ててもらった感謝の気持ちとして。


独立して、自分の力で初めて買った、決意の宝石。


それを作ることができたのは、両親のおかげです。



その気持ちは、宝石がいつまでもその輝きをなくさずに輝き続けるように、


存在し続けます。


8年目を迎えますが、鞄や靴、洋服など、いろんなものをプレゼントしてきましたが、


宝石だけはあげた事がありません。


ピアス1つすら。






アレキサンドライトは今でも大切な大切な宝石です。


そして、近い将来、やっと・・・・


私の・・・・・・・・・・・


世界で一番尊敬する母の胸に輝く予定です。








お読み頂き、ありがとうございます(・∀・)