水とは。
水は日本酒の8割近くを占めるとても重要な成分です。
お水の違いでそのお酒にどのような影響をもたらすか、みなさん気になるところだと思います。
順番に追って書いていこうと思います。
最初に申し上げますが、私もまだまだ水については本当に難しく勉強中の身です。
文献を読み漁ったり蔵見学で聞いたり、実体験に基づいた内容ですのでそこをご理解いただければと。
お水で大事なのはまずは軟水か硬水という事ですね。
つまりはCaカルシウム、Mgマグネシウムが水にどれだけ含まれてるかということになります。
単純に硬水であれば栄養、ミネラル分が多いので当然発酵力が強いと一般的には言われてます。
ただここを少し掘り下げると、
硬水軟水というのは単に、CaとMgの含有量の違いでしか言ってません。
ミネラル分はいっぱいあるので、軟水硬水だけではどのミネラル分が多いかは分からないのです。
単にCaやMgが多いと、他のミネラル成分も多いのでは?という推論になり硬水は発酵力が強いと言われることが多いです。
しかし、ミネラル分のひとつとってもお酒に与える影響はまったく異なります。
例えばMgは発酵力が強い、すなわち酵母を元気にさせます。
Caは酵母の活性にはあまり影響しません、しかし酵素の米の無効吸着を防ぐので酵素の活性を助けて米がよく溶けます。
この二つを見てみるとCa主体の含有量で硬水と言ってるかMg主体で言ってるかによりだいぶ意味合いが変わってきますよね。
ミネラル分にはこの他に塩素Clは米の溶けを改善します、また酒のテリをよくします。
カリウムKは、Mg同様酵母を活性化します。
ナトリウムNaはあんま関係ないですが、酒が熟成すると酸と結合して塩基になったりして味に関係します。
ほかの微量元素も文献に載ってましたが。
なので軟水、硬水の酒質に現れる。
は奥が深くてなかなか一言では言えないですね。あくまで指標かもしれません。
それにワインと比較すると
日本酒の場合は酵母の種類や糖化の手間、醸造方法にバラエティがありすぎてこれまた難しいです。
水ひとつ紐解いても味に直結しない(語弊がないようにいいますが酒質に現れる波形や輪郭とはまた別の話)
さて、先日低アル原酒を造る場合は軟水のほうが向いてるかも?
と書きました。
これは前述したようにミネラル分が多いと発酵力が比較的強いという観点からみたうえでの話で、
ゆっくりアルコール出したいなら軟水の方が向いてるということを言いたかったのです。
もっと言うと、主にMg、Kが少ない水のほうが酵母がマイルドに発酵する傾向になります。
他にも条件は勿論ありますが水にだけ焦点を当てればの話です。
あとは違う視点で飲食店の視点から、
◎軟水の特徴として
・昆布やかつおぶし等の出汁をとるのに向いている。
・日本茶をいれる際にタンニンを引き出し、風味がはっきりする(だから静岡が名産かと。静岡の水はとてもやわらかいです)
・お米がやわらかく炊ける(酒米はもちろん飯米も)
◎硬水の特徴として
・肉などの煮物を煮込む際に肉の臭みが抜け、肉がやわらかくなる。
・人間の人体にミネラルを補給する。
うちの料理長の身体をみれば歴然。もちろん日々のトレーニングも半端ない(笑)
こんな感じですね。
まだまだ勉強していきます。
みなさんも知ってることとか、気付いたことあれば教えてくださいね。