この創作はフィクションである。



夜尾おちるは、夢を見ていた。



自分が白い服を着た、

グラマラス美女の、のっぺらぼうになって、

着物姿の泣いているのっぺらぼうの少女に声をかけ、

冷たい言葉で返される夢である。



「あなた、どこから来たの?私は、夜尾おちる。」

グラマラスのっぺらぼう美女な、おちるは、

自分を語ってみた。



「あ?夜尾おちるって誰?」

着物姿の、のっぺらぼう。

もう、泣いていないようである。



「漫画が描けなくて人生を挫折しかけてる漫画家志望○歳だ!」

月夜に恥も考えず、叫ぶのっぺらぼうグラマラス美女、おちる。



「○歳って、オヤジじゃん!なんでこんなとこに、のっぺらぼうの女装しているんだよ!帰れ!およびじゃないんだよ!」

と返す着物姿のっぺらぼう。



「女装じゃないけど、帰るか!こりゃまた失礼しました!」

と、夢から覚めようとする、のっぺらぼうグラマラス美女、

おちる。



「あれー!」と、おちる。

「なんだよ!」と、つっこんでくれる着物のっぺらぼう。

「帰り方、忘れた!!

どうすれば、夢から覚めるんだっけ?」

顔のない白い顔に、

冷や汗をうかべる、

おちる、グラマラスのっぺらぼう美女だった。



終わり。