こんばんてーん

 

こういうやつは良くも悪くも印象深い、げきみそです。

 

 

 

先々週、7/18からですかね、

 

なんと、あの『リアルサウンド〜風のリグレット〜』がAmazonオーディブル等の各種サイトにてオーディオブックとして販売・配信が始まっている!

 

っていうニュースがありまして。

 

 

これは…同作品をリアルタイムで知っている者には結構なトピックスですよ。まず、なんで今更これを掘り起こして来てんだ、という疑問からの驚きがありますからねw

(; ^_^)

 

 

この『リアルサウンド〜風のリグレット〜』は、1997年にセガサターンで発売されたゲームソフトで後の1999年にはドリームキャストでも追加要素有りで再発売(リメイクという程ではない?)された代物。

 

手掛けたのは『Dの食卓』で有名な飯野賢治さん。

一風変わった観点からの独特なゲームを産み出していることでもお馴染みの氏が「映像が無く、音だけでプレイする」という…また異色な試みをした作品。

 

一応、視覚障害者向けを考慮しての音だけを頼りにしたゲーム性とのことでしたが、サターン版ではディスク4枚組でどのみち交換の際には画面に従って行わなければならないジレンマもあったりして。

 

 

 

そんな『リアルサウンド』ですが、そういえば確か…と

 

 

サターン版は無いけど、ドリキャス版を持っていたのを思い出して20年振りくらいに出してみたw

 

ソフトケースの外側には雲の模様が描かれたスリーブがあるとか、

 

冊子ではなくバラバラのシートになっている取説、前述の視覚障害者向けに点字シート(内容は分からん)などが付属するなど、パッケージの方にも拘りが見えます。

 

初回限定版には劇中でヒロインがハーブを栽培している事に因んだハーブの種が入っていたり、同じく1999年に発売されて飯野賢治さん最後のゲーム作品となる『Dの食卓2(D2)』の体験版なんかも付属していました。

 

まぁ…初回限定版にはっていうか、わりとワゴンセール常連(笑)のソフトだったので私は通常版を逆に見たことがないんですがw

 

 

 

とことで、久し振りにプレイしてみる。

 

本作は『リアルサウンド』シリーズの第1弾として企画され、結局シリーズ化は成されず本作のみで終わってしまったが、この『風のリグレット』がシリーズ第1弾のタイトル。

 

音声ドラマが流れるのを聴いて、たまにやってくる選択肢によってシナリオが変わっていくマルチエンディング、という基本的にはサウンドノベル的なゲーム。

 

 

主人公の青年の回想から始まり、小学生の頃に転校してしまう幼馴染の女子と駆け落ちの約束をしたが果たされなかった台風の日…なんてとこから、現在は再開している彼女がある日また姿を消してしまい…

 

別のヒロインとの出会い、地元に戻って彼女の消息を探る中で…なんていう、少し謎めいた雰囲気を持たせた恋愛物になっています。

 

シリーズの続編にはホラー物が考案されていたが実現されなかったので、その内容が『D2』に転用されたなんていうエピソードもありますね。

 

 

ちなみにドリキャス版では、ビジュアルメモリを使ったミニゲームなんかも収録されていましたが、本編には関係無いホントにおまけ程度でした。

 

 

 

あらためて本編、

 

 

 

 

サターン版ではホントに画面は何も標示されない真っ暗なまま進みますが、ドリキャス版では一応の背景が表示されます。

 

デフォルトでは実写取り込みの風景写真になっているものの、別にシナリオ内容に準じている訳でもないので、ある意味では邪魔かも?

 

 

このビジュアル有りのモードでは背景のパターンを選ぶことも可能なんですが、

 

 

 

無機質なスクリーンセーバーみたいなものや黒背景に白ドットが並ぶプラネタリウム風のもの、中には白背景の中を小さいキャラクターがちょこちょこ動き回るものなんかも。

 

最後のは確かに邪魔だけど(笑)、関係無い風景でも気が散るなら無機質なものを、なんならサターン版同様の無背景(一面が黒)も選べるので、結局それでもいいのかもしれない。

 

 

 

ゲームの進行は、ただひたすらに音声ドラマが流れているのを聴く、という。

 

だいたい10〜15分くらいの感覚で選択肢のポイントが来るんですが「今、選ぶとこだよ」って知らせるアラーム的なのはあるものの分かり難いので、ボーッと聴いていると「ゲーム止まった…いや、押すのか」みたいになっちゃうw

 

 

確かに画期的なシステムではあるものの、これの難点としてはサウンドノベル(ドリキャスなら後に流行るビジュアルノベル)にあるようなメッセージ送りが出来ず、ホントに「聴く」ことしか出来ないところ。

 

また本来は画面無しで成立させようとしている為にバックログ的な機能も無いうえ、常時オートセーブになっているので少し聴き逃しても戻ることが出来ないのもゲームとしては辛い。

 

 

そう、マルチシナリオなのにオートセーブなので…

分岐点前にセーブを取っといた箇所から差分をってことが無理で、複数のエンディングを全て聴こうと思えば毎回最初っからやらないといけない。

 

グッドエンドに相当するものは1つだけ、とりあえずヒロインに対して好意的な返答をしていれば辿り着けるくらいの難易度ではあるのだが、寧ろバッドエンドを網羅する方が難儀なんですよね。

 

 

 

サターン版では4枚組で、概ね1枚辺りが1時間くらいの尺だったはずだから、2枚組のドリキャス版では2時間✕2枚、どのみち短縮は出来ないので約4時間程でのエンディングとなります。

 

なので…

本題の配信が始まったオーディオブック版、幾らか編集されてるとしても3時間以上はあるんじゃないかな?

 

からのマルチエンディングなのをホントに音声のみのコンテンツでどう表現しているのか分かりませんが、もしかしたらコンシューマのゲームよりも飯野さんの目論見に近いものが出来ているのかもしれない…

 

なんて考えたら、ダウンロード版のゲームではなく音声配信って方に持ってくのを判断した人、寧ろかなり解像度が高いのかもw

 

 

ちなみに、主要キャラのキャスト…

主人公は柏原崇さん、ヒロインには菅野美穂さんと歌手時代の篠原涼子さんっていう、今にして見ると豪華な顔触れとなっているので、

 

その辺の版権や許可も通ってのオーディオブック化ということにも、また意味があるような気がしますw

 

 

 

ゲームとしては異色、なんならアレが過ぎてクソゲー扱いもされている本作ですが、おそらくラジオドラマ的なものだと割り切れ普通に悪くないんじゃないかな…と。

 

今は亡き飯野賢治さんの意欲作、ここでまさか四半世紀振りの再評価なんてことになったら良いですねぇw

 

 

 

 

 

げきみそ☆パーンチッ!! ΣO( ̄□ ̄  o)