こんばんてーん
げきみそです。
毎度お馴染み、地元のまんが美術館にて今月上旬から始まっている展示会の話。
「小島剛夕(こじまごうせき)原画論」。
こちらは、マンガ研究者のカーロヴィチュ・ダルマ氏が進めている「マンガのコマ割りた掲載メディアの物質性」というテーマの研究発表展…らしい。
始まって数週間経ちますが、しばらく行ける余裕がなかったので先日ようやく観てこれました。
1950年代末の“貸本”時代から活躍され、様々なジャンルの作品を生み出された劇画の第一人者とも言われる名作家。※2000年に亡くなられています。
当美術館には剛夕先生の原画も多く収蔵されていて、世代的には触れて来なかった先生ですけど、個人的にもそれで見慣れていますね。
今回の展示は研究発表ということで、どういう趣旨なのかな…と思っていたんですけど
例えば貸本と後に雑誌等に掲載された際に修正された箇所、絵や写植の手直しってだけでなくコマ割りの構成まで変わっているという、現代ではまず見られないパターン。
同じ作品の原稿でも掲載されるメディアによってコマ割りから変えて、それによってページ内のコマ数も増減してる様子がそれぞれを同時に展示されて見比べられて、確かに勉強になる企画。
今でも単行本になる際の加筆修正とかは普通にありますけど、ここまで大幅に変化することはないですからね。
そういう部分も含めて当時の掲載誌による違いというものを垣間見える、せいぜい古くて80年代からしか漫画を読んでいない世代にはかなり興味深い。
また展示の後半では、その掲載誌や媒体によって絵柄や作風を変えていたという剛夕先生の幅広さがダイジェストで見られます。
少年誌から青年誌、素直な活劇物やホラーテイストの怪談物、中には少女漫画なんかもあるっていう。
この多岐に渡るジャンルの多さだけでも十分に展示会のテーマになりうるものになってます。
一部、未発表作品の原画なんかもあったりして。
出口付近には、カラー原稿も。
このカラー原稿にしても時代によっては著者か編集か着色する担当が(掲載媒体の事情によって)違うという、その辺も興味深いポイントで。だから色味の雰囲気もそれによって結構違ってるのがよく分かる。
名目が研究発表とかってなってるから、いつもより少し難しいのかな?と思ったけどそんなことはなく、普通に楽しめつつ漫画の時代背景やその技法が学べるという建設的な(笑)展示となっていました。
実はここのまんが美術館、県内の小学校やらが学校行事で訪れていることが増えているそうで、そういう機会で見に来るにはちょうどいい企画。
当初より会期が延長されたらしいですが、個人的には常設展の一角にしても良いんじゃないかと思うくらいの代物でしたね。
(  ̄▽ ̄)
げきみそ☆パーンチッ!! ΣO( ̄□ ̄ o)