おで、室井。

「日々の生活の中で、五感を磨く」。
渥美國泰先生が仰っていた言葉を、今になって深く実感する。

何気ない一言や行動、
例えば、一瞬目が合ったというそれだけで、
そこから、信じられないほどのエネルギーや勇気を与えたり、もらったりする。

演劇なんていう精密に計算された世界の中にいると、
あたかも自分がロボットにでもなったかのような感覚に陥る。
行動や感情の規制というレールを走る列車のように、
全てに対して作業的になってしまったりする。
"心をニュートラルに保ちながら芝居をする"というのは、
本当に難しい。

観客との一体感。
空気を共有し合うこと。
出来たり、出来なかったり。
それは自覚、時に無自覚だったりする。

自覚するには、
やはり、
五感を磨くこと以外にない、
そう思う。

コンマ0秒でも目が合い、
息を感じ、
そこに通い合う何かを読み取って、
それを忘れず心に焼き付ける。
見逃してしまえば、
何も与えられずに終わるし、
下手をすれば相手を不快な気持ちにさせる。
読み取れれば、
そこには奇跡を起こせるほどのパワーが生まれる。

光の早さほどの交流。
それが、大切。

そんな事をたくさん感じた週末だった。


ただ、
これだけははっきりと分かった。

人は、
自分が思うほど誰かを助けてあげられなかったりするが、
自分が思うより誰かを支えていたりするものだ。