室井です。



遅くなりましたが、『華々しき一族』立ち稽古3日目のレビュー。

未納(友香)と昌允(滋)の兄妹のシーンからスタート。

ここで演出の小西さんが課題としたのは“内面と外面”。
「文面にはその人物の気持ちなんて書かれてない。文面とは裏腹のその人物の気持ちを表現しなければならない。それが森本薫の作品。文面通りの言葉に素直に気持ちを乗っけて話すのではない」と小西さんは言った。

頭では理解しているが実際となると難しい。それだけ細かな台詞のタッチや所作を要するからだ。
何度か小返しで稽古したが、友香もすぐに対応出来ず苦しんでいた。

続いて、諏訪(藤野)と鉄風(菊地)が帰宅するシーンへ突入。ここまでで最多の4人が舞台に登場するシーンだけに時間がかかると思っていたが、そこはベテランの技。藤野&菊地コンビの登場で場面は盛り上がり、物語は進行した。何より2人の芝居には落ち着きがあって、とても安心して観ていられた。

思ったより早く一幕幕閉め、諏訪&須貝(室井)のシーンに至った。須貝の発言で物語が大きく変化する場面。小西さんからは「大人っぽく、気障に」というダメを頂いた。

そしていよいよ、一幕の通し稽古が行われた。
結果は、、、よくなかった。
全体にシーンのメリハリが少なく、地味にまとまり、面白い芝居になっていなかった。
僕自身も、一人一人の個々に対する対応が曖昧で、より大きく表現する事が必要だった。


まとめ。
小西さんのレビューにもあるが、やはりもっと大きくて派手な芝居が必要だということが分かった。そして作家・作品に対する勉強が足りないということも。

昨日のパネルばらしの前に、小西さんの話を聞けた。そこで少し分かった気がした。
目指すは“鑑賞用の芝居”。
共感される芝居でなく、鑑賞される芝居。この感じを作り出したい。


最後に!
小西さんから聞き出したヒントを、共演者へおすそ分け。
「色で例えるなら、チェーホフ作品は茶。岸田國士作品はピンク。そして森本薫作品は金」だそうです♪