こんにちは!

劇団東京ドラマハウス劇団員、高橋綾です。

今回は、6月の安兵衛寄席に向けて、知っておくと楽しい、落語のお話を5回に分けて書いていきたいと思います。


さて、2回目の今日は「時刻の数え方」のお話です。


現代日本では、24時間表示と、午前午後の12時間表示とが混在しています。

海外では(まあ、日本のしゃれたところでも)am/pmと表示されたりしますね。

ちなみにam/pmというのはラテン語で、

amが「Ante meridiem」

pmが「Post meridiem」

の略なんだそうです。

「Meridiem」が正午

「Ante」が「~の前」

「Post」が「~の後」

で、そのまま午前午後なんですね。

まめ知識♪( *´艸`)


当時の時刻の表しかたは、もちろん24時間表記なんてありませんから、変わりに十二支を使っていました。



その十二支で、今の時間で約2時間ずつを割り振って、一日分の24時間としていました。

午前0時(23~1時)が子の刻、午前2時(1~3時)が丑の刻、午前4時(3~5時)が寅の刻、といった具合でぐるっと十二支。


この通り「○の刻」は2時間ありますが、お昼のちょうど真ん中の時間、12時は「正午」と言いますよね。

なぜ、「正」「午」なのか、ご存知でしょうか。

「午」は午の刻(11時~13時の間)そのちょうど真ん中の時間を「正にその刻」ととらえて「正午」と言うんだそう。

一般的には使わないですが、夜中の0時は「正子」とも言うんだそうですよ。


ちなみに、夜中の1時~3時、この2時間を更に4つに分けて3つ目の2時~2時半を「丑三つ時」といって、丑の刻参りという呪いの儀式が行われる時間があったんです((( ;゚Д゚)))

「草木も眠る丑三つ時」という言葉もある通り、生き物全てが眠りにつき、幽玄と交わってしまう神秘の時間だったんですね。


…っと、話が逸れてしまいましたσ( ̄∇ ̄;)


江戸時代の時報が、今回の落語劇『時そば』のキーポイントなんですが…

それは、鐘を叩く回数でした。


子の刻(深夜0時)午の刻(昼12時)がそれぞれ「九つ」そこから2時間進む毎に一つずつ減っていって、次の九つの直前は「四つ」で終わります。

現代とは違って、日の出のおよそ30分前を「明六つ」日の入りのおよそ30分後を「暮六つ」という基準にして、太陽の動きを当分して時間を計っていました。



1頁目であげた「おやつ」は、お昼を1時間程過ぎた「八つ」の鐘が鳴る頃のこと。

その頃に、職人さんたちはちょうど小腹が空いてきて、夜の為に間食をしたというのが由来の言葉です。

昔のおやつは、今のお昼ごはんの感覚だったのかも知れませんね。


さてさて話を戻しまして……

『時そば』では、最初の男は、九つ(深夜0時)の夜鳴き蕎麦。

それを真似た与太さんは、四つ(22時)にお蕎麦屋さんを見つけました。

この2時間のズレが、落語の落ちの部分、サゲに繋がります。


お後は、観てのお楽しみ( *´艸`)


また来週の更新を、お待ちくださいませ。

m(。-ω-。)m

ここまでのお相手は、高橋綾でした。