演劇をやっていると、必ず聞かれることだと思います。それくらい、「演劇って、程遠いものだと思われてるのかなぁ」と感じます。テレビドラマや映画のほうが身近ですもんね。

なぜ演劇を始めたのか?自分自身、わからないままです。高校時代、演劇部になぜか入った。理由は無いけれど、中学生のときから演劇部に入るもんだと思っていた。まわりに演劇をしている人間がいないにも関わらず。

私の高校時代の部の仲間は、まだ演劇をやっている人間が多いです。当時の顧問の先生とお会いすると、「まだみんな足を洗ってないんか」と言われます笑
まさかのクスリかなにかと同じ扱い!笑
みんなを演劇の沼にはめたのは誰ですか!と言いたい!もちろん、顧問の先生ご自身も、まだどっぷり沼です。

学生時代は、「中毒みたいなものだ」と思っていました。でも、いまは「自分の一部」としか言いようがない状態です。私は何度か、演劇から距離をとろうと試みました。でも、必ず引き戻されます。自らの意思ではなく、演劇に関わらざるを得ない状況がやってきます。
しかし、演技も演出も、その技術は向上しません。演劇をするたび、自分の限界が(しかも早めに)見えます。そのたびに嫌になり、演劇をやめて、また引き戻されて…その繰り返しです。

そのたび、演劇の良さってなんだろう?と考えます。私はわかりません。工夫の凝らされた装置?まぶしい照明?身体に直接響く音響?役者の近さ?ライブ感?もちろん、どれも魅力です!!!でも、演劇が私を魅了する原因は、そのどれでも無いのです。
だから、「どうして演劇を?」という質問に、答えのないまま、考えるばかりです。

という悩みでした!

7ストーリーズは、私にとっては「勉強させてもらいましたぁあ……!!」という脚本です。内容が難しい!!!!セリフを分解していくと、「あ、これ哲学のこの思想…」「これは宗教のこの部分を言い換えていて…」「これはたぶんコレコレのメタファー…」「え、カナダの台本なのに、これ東洋の考え方だね!?」という部分が、読めば読むほど出てきます!しかもそのジャンルも幅広い!大学生のときに哲学をもっと勉強しとけば良かったー…!!!(文学部)
私たちの普段がいかに「哲学」か、を痛感しました。

でも、この脚本の魅力は、その難しさを感じさせないストーリー!「人間」が精いっぱい生きるその姿が描かれています。ご覧になった方にとって、「自分とは『縁遠い』」と思われないように、まだまだ演技を磨いていきます!

そして!演出は西田ですが、演出補佐に各務がついてくれています。各務らしい演出もあります!「演劇は総合芸術」ということを、改めて感じました。「ことば」で勝負しようとしがちな私に、新たな刺激をくれました!

と、こんな感じで、帰国後毎日うわーい!たのしー!!と過ごしています。演技ももちろん、衣装、大道具も実物をみて、調整を行なっています。スタッフ、キャスト、全員が忙しく飛び回る毎日!(大学生メンバーはテスト&レポートも)
でも、こんな毎日が続けばいいなぁー…とも
思います。本番が終わったら、この生活も終わりかぁ…とちょっとセンチに。さて、あと何日こんな楽しい日を送れるんだ?と計算したら、本番まではあと9日。…ここのかっ!?それしかないの!?今日から8月だと…!?センチになってる場合じゃない!!

という感じで一生懸命つくってます!
見に来てくださいね!(ぜひご予約を…!)

【ご予約】

━━━━━━━━━━━━━━━
劇団ON第3回公演

『7ストーリーズ ー7階でおきた7つの物語』

【作】モーリス・パニッチ 【訳】吉原豊司

【演出・潤色】西田かをる



【あらすじ】

「自分はいま、どこに存在するのか。どこから来て、どこへ行くのか。」

アパート7階の窓の外側、壁のふちで、はるか下方の硬いアスファルトを見つめる男。彼が立っていたのは、7つの人生の交差点だった。

【日時】8/10(土) 13:00―/17:00―

【会場】神戸三宮シアター・エートー

【料金】一般(予約) 1000円

一般(当日) 1200円

高校生以下 500円