すがっち こと スガタチエ です。

 

WOWOW「アクターズ・ショート・フィルム」をご存じでしょうか。

 

今月「アクターズ・ショート・フィルム4」が配信されました。

 

この企画は、予算・撮影日数など同条件で俳優が25分以内のショートフィルムを制作し、米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」のグランプリを目指すもの。

 

4回目は、千葉雄大、仲里依紗、福士蒼汰、森崎ウィンの4人。

アクターズ・ショート・フィルム4 WOWOW

 

私は必ずメイキングも見ることにしています。だって、製作の苦悩や楽しさが伝わってくるから。

大変だったと言いながら、俳優たちはイキイキと語る。どんなに楽しかったのか、夢中になって製作してきたのかが、よくわかる。

 

今回、私が注目したのは、森崎ウィン監督の「せん」。森崎ウィンのバックグランドだからこその視点で、ミュージカル俳優らしく、ミュージカルとして緻密な計算をして音楽を作り出し、そこに物語を乗せている。そして、伝える内容はどこにでもある戦争、争い。

 

もう一つ興味深かったのは仲里依紗監督の「撮影/鏑木真一」。あのお笑いの秋山竜次が主役を演じているが、一言もセリフがない。なのに、あの迫力はいったい何だろう。仲監督は忙しくて引き受けてもらえないと困るから、セリフを無くして秋元さんの負担を減らしたと。なんて面白い発想だろう。そ

 

千葉雄大監督は2回目のショートフィルム。前作も人と人とのかかわりの中で見える。温かさと人間の本音のようなものを描いていたけど、今回も人それぞれが違う人生を生きながら、分かり合える仲間がいる温かさを感じる「ハルモニア」。あーわかるぅと思わず言ってしまう。いつの間にか、見ている人自身の物語を紡いでしまう。

 

福士蒼汰監督の「イツキトミワ」は、計算された完成度の高いものだったと思う。逆再生を施した音楽の使い方や自身と友人とて描いた絵画を作品の中で使うセンスの良さ。人には言えない何かを抱えながら、相手によって自分を演じて生きている。そんな中で出会った二人の男女。そして悲しい結末。最後に主人公がキャンバスに向かって絵を描いていくが、その描き方が印象的。あとでメイキングを見て、そのシーンは一発カメラの長回しだったことを知る。主人公の俳優が絵を描いている最中に、福士監督が声をかける「悲しさ」「怒り」・・・その感情のとおりに俳優が描いていく。すごい表現力だと感じた。

 

本当にこの企画好き

 

アクターズ・ショート・フィルム、良かったらご覧くださいませ。