こんにちは。71期役者の乘峯志保(のりみねしほ)です。
最近気付いたことには、「みんななんとか生き抜くためにしょうがなく自分の選択をしているんだ」と思うと人目を過剰に気にせずに済みます。ぐらつきながら一号車まで突き進むときも、長い信号待ちで一番前に来てしまったときも、少しも答えられないフランス語の授業でもね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240427/09/gekidankodama/36/f7/j/o1080081015430989583.jpg?caw=800)
新学期ですからもうみちみちなんです早稲田は。
ひっきりなしに押し寄せる若々しさに圧倒され、目を伏せたり尖らせたりしながら明るい会話の群れを掻い潜ります。それぞれの人生を生きているだけです。
一段落したところを少し逸れると鬱蒼とした空間を従えた門が現れます。その奥がアトリエです。いつもそこで稽古をしています。この時期は過ごしやすくてとてもいいですね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240423/19/gekidankodama/a2/73/j/o1080081015429620484.jpg?caw=800)
外で台詞を覚えているとどこかでカラスが鳴きます。
カラスかと思ったらうりのつる、ということはわりに多いです。あべこはいつでも歌っています。須貝文音はその横を通り過ぎます。たまに気配を消しています。
過ごしやすい気候なのでね。見かけたらやさしく見守ってあげてください。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240427/09/gekidankodama/c6/4b/j/o1080081015430989585.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240423/19/gekidankodama/63/01/j/o1080081015429620494.jpg?caw=800)
「こんにちは」という台詞が難しいです。とても難しい。よく言われることですが。
いかに素直に真面目になれるか、真摯に向き合い続けられるか、ずっと試されています。全然逃げきれないので、自分の人生の拗れの部分が剥き出しになってめっちゃ嫌です。なにより嫌なのはその拗れが思っているより浅はかで自分はごく単純であると知らされることなのですが。
小説に逃げれば「気の利いた女の子というのは三百種類くらいの返事のしかたを知っているのだ」なんて一節があるし、なんですか、生き様だって言うんですか。いや生き様なんですけど……最近はそんな言葉に執着してしまっていよいよですよね。仕様もないです。
ダサさも全部乗ってしまいます。舞台に立つことは恥ずかしくて恐ろしいです。でもどんな人間もそこに立つことを許されてしまう。どの人生もその蓄積としての身体をそこに現し人の目に映ることを許されてしまうからどうしても離れられずにいます。照明まで当ててもらって! 自己嫌悪と自己愛とエゴの巣窟のようですね。やっぱり仕様もない。
生き抜くために必要な選択でもないのにどうして演劇なんかしなくてはならないのか、まだうまく説明できません。でもそこにある何か、たとえば正も負もたっぷり含んで立つ強い生のエネルギーのようなものをどうしても、自分が健康に生きるために必要としてしまっていつの間にかここにおります。そういう意味では「しょうがなく」選択したものなのかもしれません。結果、不健康寄りです。責任とらないとなあと思ってます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240423/19/gekidankodama/42/cc/j/o1080081015429620499.jpg?caw=800)
いろんな人の生き様が乗ります。抱えて立ちます。それぞれが生きているだけの人生が変な磁場で交わります。たくさんの人に支えられています。きちんと作品にして届けます。一緒におもしろがってくださったら嬉しいです。
『飛行』
精いっぱい考え向き合い準備してアトリエでお待ちしておりますので、よろしければぜひ、お越しください。全身全霊全木霊でお待ちしております。
【ご予約】(乘峯志保扱い)
お願いします、こればっかりは……
https://ticket.corich.jp/apply/312902/026/
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
劇団木霊2024年本公演
『飛行』
主宰・演出|ひラのカほ
主宰補佐|西岡優成
脚本|萌葱もか
日時|
5月23日(木)19:00〜
5月24日(金)19:00〜
5月25日(土)13:00〜/18:00〜
5月26日(日)13:00〜/18:00〜
料金|無料(フリーカンパ制)
会場|早稲田大学大隈講堂裏 劇団木霊アトリエ
特設Webサイト|
お問い合わせ|gekidankodama.2024.05@gmail.com
主宰・演出|ひラのカほ
主宰補佐|西岡優成
脚本|萌葱もか
出演|あべこ うりのつる 神崎玲那 須貝文音 乘峯志保 春名高歩 町田悠介
企画監査|工藤英翔
稽古場代役|赤城奈佑
演出補佐|翠 きよすけ 桑原杏弥 兼生 鈴木萌花 栖田ひまり 創
舞台監督|佐野史奈
舞台監督補佐|赤城奈佑 酒井悠真
音響・音響操作|らノ
音響プラン|琇
音響補佐|遠藤大希 鯉 ホシダマサオミ 鳥塚隼人[早稲⽥⼤学演劇研究会]
楽曲|ホシダマサオミ
照明 |桑原杏弥
照明操作|林怜奈
照明補佐|翠 木下みのり こむぎ 唯乃マド 傍見秋 まさはる
舞台美術|こむぎ
舞台美術補佐|酒井悠真 創 傍見秋 本庄史奈 まさはる
衣装|栖田ひまり
衣装プラン協力|タベイコウダイ
衣装補佐|北澤栞 タベイコウダイ トラツグミ
制作|はな
制作補佐|阿部綾 遠藤大希 木下みのり タベイコウダイ 本庄史奈
宣伝美術 |園部綾香
宣伝美術補佐|工藤英翔 唯乃マド 林怜奈
web|北澤栞
web補佐|工藤英翔
撮影|唯乃マド