今回は『劇団ダダンの公演ができるまで』後編

スマイリング2年生ぴっぴ×ダンシング2年生ハリー×スリーピング3年生椎名のなかよし三人組(爆笑)による三者対談もいよいよ佳境!相変わらずディレクターズカット版でお送りいたします!あと話にまとまりがないなあと思ったところは容赦なく発言を捏造しています!それでは、どうぞ!!

 

──公演ができるまで⑧ 通し──

 

椎名 通しとは、今まで練習してきたすべてのシーンをつなぎ合わせて、演劇を「通す」練習のことですね!

 

ぴっぴ そうそう。衣装、メイク、舞台美術もなるべく本番と同じにして行いますね

 

ハリー どんだけ失敗しても何があっても止められないやつ

 

ぴっぴ 通しはけっこう新キャラが登場しますね 

 

椎名 通しと聞いてかけつける先輩方ですね 

 

ハリー けっこういますよね 

 

ぴっぴ Beautiful World(2019年度本公演。2019年7月)のときは、先輩方が就活中で、学期中は忙しかったというのもあって通しから来る人が多かった。そのときはテスト期間で練習がなくて、ブランクがあいて、その前がすごく良かったというわけでもないのにブランクがあったせいでクオリティがさらに下がってしまって、それを先輩方に見られたから、めちゃくちゃボロクソに言われて(笑) 

 

ハリー あー 

 

ぴっぴ 「これは通しなの?」って言われて……あれ(本公演の通し練習)はけっこうキツかったなぁ 

 

ハリー 通しって、クオリティ下がりますよね。本領が出ないっていうか、緊張がありますよね、最初の通しは 

 

椎名 うん 

 

ぴっぴ 見に来る人がほぼ初対面の人ばっかりだったから、ただでさえアレだったのに、もっとアリャーってなった記憶がある 

 

椎名 ふーん 

 

ハリー なるほどね… 

 

椎名 私は高校の頃からずっと(通しが)嫌いですね 

 

ハリー 何でですか? 

 

椎名 通しの後の空気が良かったためしがないからです!高校の時だと特に。うちの高校は、通しが終わったらとりあえず衣装を脱いで、台本持って輪になって一人ずつ反省を言うんてすけど、もう地獄で。通しが終わった瞬間に皆お通夜みたいな 

 

ハリー 何か、悪いことした後みたいになりますよね確かに(笑) 

 

ぴっぴ 通しで最初に意見言う人大事ですよね。流れが決まっちゃうというか 

 

ハリー ポムさん(我らが団長!)はいつもさ、マイナスなこと言っても絶対プラス言うよね 

 

ぴっぴ うん 

 

ハリー それすごいと思う、必ずポジティブなこという 

 

ぴっぴ 才能だよ 

 

ハリー ありがたい 

 

二人 (頷き) 

 

ぴっぴ 何て言って良いかわからなくなると、けっこうネガティブなことのほうが言いやすいんだよね、だから実際のものよりひどく言われがちだと思うんですよ(笑)。でもそこでちゃんと良いところを見つけて言える能力、見つけられる力は素晴らしいと思う 

 

椎名 うん、ありがたい 

 

ハリー 見習っていこうー 

 

ぴっぴ たぶん少なからず、あら探しをしてダメ出ししてやるぞっていう気持ちを持ってる人はいると思うんですね、その中でもちゃんと良いところを見つけるのが大事ですよね。全くなかったらしゃーないですけどね、そんなことはないはずだから 

 

ハリー でも確かに場面練とかと全然違うというか、通しは体力使いますよね。フィードバックもつらいところありますけど、通し自体がタフですよね。それをやってみて、初めて気づくことがすごくいっぱいあるから……大事、ですよね 

 

ぴっぴ そう、それはそう。あそこから、キャストも「いよいよだな」っていう心構えになるんでしょうね。皆の集中力が上がって、そこからのシェイプアップ度合いが高い。まあそれだけ皆ちゃんとやってるっていうことなんだけど。難しいですもんね、脚本決まって配役決まって、ずっと頑張るぞっていう高いテンションをキープし続けるというのはけっこうきついし、通しの時期って大体台詞も覚えて、動きも固まりつつあるから、ちょっとたるむところもあると思うんですね。そこで、たまにしか来ない人が来て、そのたるみをつついたり、でもここは良かったよって言ってくれたり、それで自分の演技を振り返り見直す、かつそれをより良いものに仕上げていく、良いステップなんだなと思います 

 

ハリー 次の話題いきますか? あでもまだ椎名さんが通しが嫌いってことしか… 

 

椎名 (笑) 私は自分にとってマイナスなことを取り込む性質があって、考えすぎるし、言葉の裏を読むし。だから通しが終わった後はいつもずーーーーんとしてしまう。通しは、嫌いは嫌いなんですけど、大切だなと思うので、終わった後は家帰って台本開いて、もう一回じっくり考えてから寝るのは習慣です 

 

──公演ができるまで⑨ 小屋入り ~2019年度卒業公演の思い出とともに~ ── 

 

ハリー 小屋入りから話せばいいですかね? 

 

椎名 そうだね 

 

ハリー 実はもう2時間も話してますね 

 

椎名 そうそうそうそう 

 

ぴっぴ 15分で終わるはずが(笑) 

 

椎名 はい、じゃあ小屋入りの話ですね 

 

ぴっぴ ダダンは行く小屋が複数ありますね 

 

椎名 阿佐ヶ谷の小劇場アルシェと大学会館大集会室。そもそも小屋入りとは、演劇をする会場で、公演の準備をする期間のことですね。ここではアルシェの小屋入りついて語りますか。小屋入りはまず前日の荷積みから始まりますね

 

ハリー そうですねー 

 

ぴっぴ 今の団員は中型の免許を持ってる人が減ってきたので、ぜひこれを読んでる人は(笑) 

 

椎名 はい、宣伝はダメですよ(笑) ……にしても阿佐ヶ谷の小屋入りは大変ですよね 

 

ハリー たいへん 

 

椎名 初日の、荷物をいろいろ降ろして運ぶのがしんどいですね~ 

 

ハリー いやでも、ワクワクですよね。ああいう感じけっこう好き 

 

椎名 わかる 

 

ぴっぴ 毎回、アルシェ行くと何もないところから作り上げていく 

 

椎名 そうそう。アルシェに通いつめる一週間の始まりだなーって 

 

ハリー アルシェに小屋入りしたら、まずは舞台美術を設営しますね

 

ぴっぴ それは初日には終わって、それから最難関の照明作業を数日間。だからお二人は正直、最初の数日は仕事ないか 

 

ハリー あー、照明を吊ってる時ってこと? 

 

ぴっぴ そう。照明吊ってる時ってさ、あんまキャストもがっつり練習とかできないじゃん

 

椎名 うん 

 

ぴっぴ 音響作業も同時進行か 

 

ハリー 音響はね、遊んでるんだけど(笑)、大事な話してる時はあんまりガンガン曲かけないようにしてる。たしかにやることないわ 

 

椎名 制作は、お客さんの予約状況を見るくらい 

 

ぴっぴ あの吊ってる時間、皆は何を思ってるんだろう

 

ハリー 早く終われよって思ってるよ!(笑) 

 

ぴっぴ そりゃそうよな(笑)。こっちも早く終わらせたい 

 

椎名 大変だなーって思いながら見てる 

 

ハリー 皆で吊れたらもっと速いんじゃないかっていう話もあるけど、そうもいかなくて、やっぱしょうがないなーっていう結論になった気がするんだよね。やっぱ結局は、最終的に一人の人間がチェックしなきゃいけないわけで 

 

ぴっぴ 吊るのはいいんだよ、そんなに時間かからないから。そっからなんですよね。当たり具合の微調整、難しかったなぁ 

 

椎名 いやーお疲れ様です 

 

ぴっぴ 難しかったというか、いろいろ(照明の)トラブルが起きましたからね、『あの日の向こう側』(2019年度卒業公演。2020年2月)は。照明がつかないとか 

 

椎名 あーありましたね。何番コンセントが死んでるーとか 

 

ハリー コンセントが死んでるところがあったんですよね 

 

ぴっぴ そうそう……でも照明吊ってる時、仕事がなくて暇してるしかないから「自分の存在意義なくね?」って思う人は絶対いるし。そこを、何をするからどこを見ててほしいって伝えなきゃいけないんですよね、これこの前すーさん(照明ひとすじのプロフェッショナル!)としゃべったんですけど。ちゃんと伝えきれてない、照明側の配慮が足りないよねっていう話をしました 

 

ハリー まあ演出が見ればいいと思うけどね。でも本当は時間があれば長くやりたい? 

 

ぴっぴ すごく時間をかけたいとは思わないけど、時間がある中では使いたいと思うよね。もうちょっとここをこうしたいとか。ただ時間をかけたいというわけではなくて、一応どうやるかっていうのは決まっているわけだから、脳内の構成通りだった、終わり、が一番理想 

 

ハリー じゃあ早くゴールに行きたいってことね 

 

ぴっぴ そうそう 

 

椎名 難しいよね 

 

ぴっぴ まあ来てみて吊ってみたら全然違ったってこともあり得るわけで 

 

椎名 そうですね、小屋入りしてすぐに小返し(本番の環境で行うシーン練習)が出来るわけじゃなくて、本当に前日くらいまで、音響照明の調整だったりしますよね 

 

ハリー それは今後変えていきたいところではありますよね。出来れば早い段階から稽古したい 

 

椎名 小屋に来てみないとわからないことも多いですからね 

 

ぴっぴ そうか、小屋に来てみないとわからないというのはスタッフもそうですけど、キャストも距離感とか、実際やってみないとわからないことはありますよね 

 

椎名 こんなに外側行ったら照明当たらないんだ、とか 

 

ハリー あとアルシェね、案外声が通らないんですよね。吸収されちゃうのかな、客席からだと、(台詞が)けっこう聞こえづらい気がしました 

 

椎名 吸収はされると思う、あの壁と床に 

 

ぴっぴ (2019年度)卒業公演の小屋入りで、小屋入りマジックってこういうことかーって思った 

 

椎名 あるある 

 

ハリー 小屋入りマジック? (演技が)良くなるってこと? 

 

ぴっぴ うん。お二人はキャストだったから、スタッフの私がこう言うのもどうかと思うですけど、小屋入り前は「大丈夫か?」って思うこともあったんですよ。でも、小屋入りマジック本当に起きてる!って(笑) 

 

椎名 小屋入りして、ぐぐぐっと良くなることはあるけど、それは本来は良くないことで… 

 

ぴっぴ まあそうなるのは仕方ないとは思いますよ。そういう環境(小劇場)で、集中力も自ずと高まるし、緊張感も高まるし。小屋に入ってから、それまでよりも何倍も上手くなるっていうのは当然のことだと思うんです 

 

ハリー まあ、現象としてあるだけでね 

 

ぴっぴ そう、小屋に入るまでが、あんまり(完成度が)低すぎるのは良くない 

 

ハリー 冬シェ(冬のアルシェ公演)の印象といえば、寒かったっていうことですね。舞台裏がね、本当に寒い。(舞台上や客席と)全然違う。まじで、あの黒い幕をくぐったら冷蔵庫 

 

ぴっぴ 公演の後、舞台裏にあった小道具を拾い集めてるときに「寒っ!!」って 

 

二人 (笑) 

 

ぴっぴ あの時はまだ暖房が多少入ったあとだったけど、本番中めっちゃ寒いやん!って

 

ハリー とにかく舞台裏は寒い 

 

ぴっぴ 夏は暑かった 

 

椎名 (笑) 冬シェでは………芸術系の役職(照明、音響、舞台美術、衣装、小道具など)はやることがあって大変だなーと思いながら見てた…… 

 

ハリー アクションシーン頑張りましたね 

 

椎名 あれは、ご迷惑をおかけしました! 

 

ハリー いやいや、こちらこそですよ 

 

椎名 いやぁ、ありがとうございました 

 

ぴっぴ 毎回他のキャストに謝ってましたね 

 

ハリー あのシーンは出演者の人数が多くて、しかも上級生が多くて、毎回ああーごめんなさい!って(笑) 

 

椎名 そんな感じでしたねえ…。アクションシーンをやったときに、私の運動神経が良ければ……って500回くらい思いました 

 

ぴっぴ 小屋入りは、照明班が一致団結するんですよ。人数が多いのもありますけど

 

ハリー 音響チーフ(自分)も。全部チョロさん(音響のプロフェッショナル!!)がやってくれた

 

椎名 先輩が偉大っていうことに尽きるんだよな 

 

ぴっぴ いるうちにどれだけ吸い取れるかですよ 

 

ハリー あの時はキャストをやるのでいっぱいいっぱいだったけど、本当に何もしてないから、お世話になりました!って感じ 

 

椎名 お世話になりましたね。何かこう、支えられてるんだなーって思いますね。音響とか舞美とかも。

 

ぴっぴ 大変ですよ。大変だけど、それだからこそっていうのもありますよね 

 

ハリー 良いよね、アルシェは大学でやるのと全然違って。全てが違う感じがして、邪念がない 

 

椎名 締まりますよね 

 

ハリー 劇のこと以外考えない期間になりますよね 

 

椎名 そうだよね。楽しい。だからこそ、舞台をバラすときは寂しくなるな

 

ぴっぴ お、上手く締まりましたね

 

ハリー 小屋入りのまとめ!荷物運搬→舞台美術設営→照明・音響調整→シーン練習→本番!

 

──公演ができるまで⑩ 精算大会── 

 

ハリー 精算大会は金が返ってくるだけ… 

 

ぴっぴ いやいや 

 

椎名 精算大会は、使い切らなかった予算を集め、皆さんに返金することですね。予算オーバーしていたら追加徴収することもあるけど、めったにないかな。これ動きの素早さが求められるんですよ。皆、公演終わって力が抜けている時に「出納帳と(余った)金をくれ」って言うのは忍びないんですけど、さっさと集めて、さっさと資料作って、次の公演に早く切り替えるために、早くやったほうがいいんですよ 

 

ハリー 一般ピープル的には、金が返ってくるだけなんですね 

 

椎名 君チーフだったでしょ! 

 

ハリー いや音響は、ゼロ円生活なんですって 

 

椎名 ぴっぴ(照明チーフ)もゼロ円だったよね?ぴっぴは、出納帳がちゃんと来た 

 

ハリー 聞きましたよ!!知ってます知ってます 

 

ぴっぴ え、出してないのこの人?悪い奴だなぁ 

 

椎名 そう何か、ゼロ円なんでいいすかぁー?って 

 

ハリー 音響はゼロ円なのでいいすか?って言ったら、ぼそっと「いいけど…」って 

 

椎名 いや、いいんだけど、確かに書くことはないんだけど 

 

ハリー 「ぴっぴは出したけどね」って(笑) 

 

ぴっぴ そんなこと言われたんか(笑) 

 

ハリー まあ、どっちが良いとかじゃなくて、出すことは誠意があって良いと思いますよ 

 

椎名 口頭で言われたんだよ。音響は?って言ったら、あ、ゼロです、って 

 

ハリー 口頭でしたか!(笑) 

 

椎名 いや、大丈夫だよ。一年生二人の面白い場面を垣間見たなぁって思った 

 

ぴっぴ ああいうところは無駄にちゃんとしたいんですよ 

 

ハリー いやそういうとこ大事だよ 

 

ぴっぴ まあそういうとこちゃんとやってる自分、さすがだなとは思うけど(笑) 

 

ハリー 思っちゃってんだね、なるほど(笑) 

 

ぴっぴ でも、ああいうの作るの好きだから 

 

椎名 まあ、まとめとしては、制作費は早く出してほしいのと、精算大会は早くやったほうがいいってことね

 

ハリー 繰り返しアナウンスされてることって大事なことだから、耳を傾けよう!ってことですね 

 

ぴっぴ 今の良い言葉!

 

ハリー これで公演ができるまでの流れは全て言い切ったかな

 

椎名 すべてを理解はできないかもしれないけど、なんとなくこんな感じなんだあと思ってもらえれば!

 

ぴっぴ そうですね、より詳細に理解したい方はぜひ入団を

 

椎名 はい、ステルスマーケティングも終わったところで対談は終了です(笑)

 

三人 ありがとうございましたー!

 

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なかよし3人組(大爆笑)の対談、いかがでしたか? なんとなくでも、理解していただけたら嬉しいです!!

 

それでは、またの機会に!