リレーブログ
 
 
こんにちは、Harry(Potter)です。
私は中学高校と、演劇以外にこれといってちゃんとやってきたものがないので、演劇について何か書けといわれたら逆に何を書けばいいのかわからなくなってしまいます。
 
そういうわけでリレーをつなぐのがかなり遅くなってしまいました。ゴメン。
 
 
 
中学校、高校の演劇っていうのは、やはりプロなんかと比べてしまうと拙いわけなんですが、それはそれで面白いんですね。記憶に残っている"スゴイ劇"って何かあるかなー、と考えたんですが、ありました。「花咲く庭を」です。これはやばかった。
 
中学演劇ですね。これを初めて見たのは確か中2の頃だったんじゃないでしょうか。中1の時に、私たち両国中学校演劇部は「両国KANOKSHI」でびっくり都大会進出を成し遂げたんですが、その次の年は、残念ながら行けなかったんですね。(その時の演目は「水面の月」というロマンチックで切ない、心暖まる作品で、私の出演時間はほんの数十秒だったのですがすごく気に入っているんです。作者のN山先生はすごいのよ。)それで、都大会を見に行っていい作品から学ぼう的な話になったと記憶しているのですが(あるいは手伝いだったかもしれません)、そこで例のヤバい劇、"花咲く庭を"を見たんですね。
 
これの何がやばいって、とにかく面白すぎるんです。役者の個性がめちゃくちゃ強くて、それでいて、リアルなんですね。やっぱり演劇はリアルなほうが面白い。お笑いだって、現実味のあるコントのほうが面白いじゃないですか。私はロッチがすごく好き。
加えて、この作品はものすごくテンポが良いんですね。物語がちゃんと深くて、起承転結といいますか、序破急といいますか、展開があって、決して平淡な舞台ではないのに、その場面の切り替えだったり、話の進み方が気持ちいいほどスムーズなんです。2度目に見たのは中学校演劇全国大会を見に行ったときなんですが、その時に、この作品には暗転が存在しないというとに気が付きました。衝撃でしたね。動画なとあったら是非みてほしいです。。
 
 
ちょっと余談ですが……
 
舞台に限らず、演劇作品には何らかのメッセージが込められています。たとえばディズニー映画「ライオンキング」は自立の物語だし、「デイ・アフター・トゥモロー」という映画は環境問題にもっと関心を持つように訴えかけています。「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」で知られるディズニーピクサーの作品は、一貫して"友だちの大切さ"がメッセージになっています。
 
中には、メッセージが何だかよくわからない、というか、わかりにくい作品というのも存在するんですね。たとえば「ライフ・オブ・パイ~トラと漂流した…日」、「ララランド」といった映画が挙げられるかと思います。これらは抽象的な表現から暗示的にメッセージを伝えようとしている作品で、より複雑な感情だったり真理だったりを含んでいるかなり優れた作品といえます。このような作品は"表現主義"といわれ、しばし評価が二分する類いのものですが、あえて万人にわかりやすい作品にせず、より深いメッセージを伝えようとしているところが私は好きです。
 
 
 
さて、私が演劇に関わってきた中で、一番好きな瞬間をご紹介します。それは、最終リハです。意外ですか? 共感してくれる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
 
たとえば、中学校の時。大会の前に、会場のステージで軽く動きの確認をして、照明音響と緞帳などの機械のチェックをして、舞台袖に大道具を搬入して、など、するわけです。お客さんは一人もいなくて、静かな緊張感と、大きい舞台で自分たちの劇ができる時間が来るというワクワク感があるんですね。まあ、中学校ではやはり顧問の先生がトップですし(N山先生ですね)、けっこう決まり事もあるので、わいわい騒ぐわけにもいかないわけですが、あの雰囲気はテンション上がりましたね。
 
 
私の高校の演劇部は、大会などには出ていなかったのですが、もうひとつ私が所属していた英語ミュージカル部には大会がありました。
 
英語ミュージカルの大会のリハで面白いのは、リハとして与えられた時間が20分しかないことです。オカシイデショ! 会場に着きますね、挨拶などして、前の団体が片付け始めて、舞台に入ってよいぞと言われます、そこから20分で機械チェックやら立ち位置のチェックやらを終わらせ、いなくならなければならなかったのです。ああ、オカシイネ。主催者側からすると、2日間くらいで10校余りのリハを終わらせるにはそうするしかないのでしょうが、我々としては困ったもんです。ただ、これも最高に楽しいんですね。20分しかありませんから、場面練習なんてほとんどできません。音をかけて、光を当てて、私たちは短時間で設備に馴れようとするわけです。なので、皆ソワソワしていて、急いでいて、真剣な感じなんです。たまらない。たださすがに短いですね。
 
一方、大会に出ない日本語の演劇部のほうは、校内公演しか基本的にないわけですから、リハなんてし放題、と、思うでしょ?ざーんねん。(マジックランプシアターのベキート風) 
私たちの学校では演劇のためのステージなんてものは存在しなかったんですね。ボロ学校ですから、演劇部以外にも設備の問題で苦しんでいた部活は多いのですが、演劇部にとって舞台がないというのはかなり致命的であります。教室のイスをどけて、黒ガムテを巻いた段ボールで作った黒い板を窓に隙間なく張り、即席のハケを作って教室公演、という形でやることも多かったんですが、体育館にあるステージでやりたいとなったら事態はとたんに面白くなります。体育館というのは屋内運動部が奪い合っている場所ですから、まずそこで公演をすることが既に"演劇部調子のってんのか"的に捉えられるんです(文化祭だと少しマシですが)。ともかく、体育館で本番どおり練習するのはかなり難しいということです。ですが、バレー部やバスケ部はステージは使いません。なので、体育館で練習がしたいと申し込みに行くと、「ステージだけなら、自由に使ってくれ」という話になるんですね。ブルゾンちえみがブレイクしていた夏、我々はバドミントン部が練習している体育館のステージで緞帳を下ろして練習しました。バドミントンのラリーのばしゅっ、ばしゅっという音に加えて部員たちのかけ声、さらにはその奥で練習していたバスケ部かバレー部の音も合わさって、我々は目の前の人間が言った台詞すら聞き取るのが難しい状況にも関わらず気合いで稽古をしたわけです。しかも暑い。その時の劇は「ロックは無用☆」というコメディで、まあ、内容は各々調べてください。どうでもいいのですが、私たちの1つ上の先輩の代のとき、体育館を全面使って練習をした記憶があるのですが、どうやら先輩方は人数も多くかなり権力を握っていたらしいです。さすがですね。
 
 
 
書いている内にいろいろと思い出して、懐かしくなってきました。若干黒歴史的なものもありますが。。そういえば、舞台マジックといいますか、カッコいい役をやると本人までカッコよく見えるという現象の恩恵を受けたこともありましたね。
 
 
劇団ダダンが公演をする阿佐ヶ谷にも、独特の雰囲気がありますよね。たまに降りると楽しいですよ。
 
 
演劇はいいことがたくさんありまして、まずコミュニケーション能力という点で、はっきりしゃべることはもちろん、どうすれば伝わるかを考えないといい演技はできませんから、人にものを伝える力を身に付けることができるのではないでしょうか。それから、協調性。キャスト、スタッフ、その他様々な人が助け合って、初めて演劇が成立します。そして何より、楽しいことですね。演劇というのは芸術の詰め合わせみたいなものです。表現できるものは無限じゃないですか。
 
 
じゃあ終わりで。
 
 
Harry(Potter)