劇団かに座ブログNeo

劇団かに座ブログNeo

横浜の「劇団かに座」オフィシャルブログです。稽古場日記、公演情報、劇団員募集、演劇に関することをポロポロと書いています。

ねこようです。

 

順番が逆になってしまいましたが、

装置日前日の稽古場日記です。

 

やっぱり、

ネット世界は

若い女の子や

犬や猫の写真を出したりした方が

みんな見てくれやすい。

エロタイトルなんかは

特にクリックされる。

 

おっさんは・・・

なにかっていうと、

うんちくか

説教か

美味しい食事とビール!

くらいだから、

スルーされるわけですよ。

 

こんなんじゃいかん、

と思いつつ、

今日もくだらないブログを書く

おっさん。

 

 

九月X日(金)

 

今回は、

病院での四人部屋での

ストーリーである。

 

なので、

病院がテロリストに襲われる事も無く、

(どこぞのドラマで・・・)

走り回るわけでもなく、

(健康じゃないのでね)

座ったままのセリフの応酬が

続いたりする。

 

稽古を観ていて、

「人の話を聴く」演技は、

本当に難しいなぁと思う。

 

映画やドラマだと、

セリフを喋っている役者しか

映ってなかったりするけど、

演劇は、

お客さんがどこを観ても自由なんです。

 

誰かが一生懸命喋っていても、

「●●さん、かわEなぁ~。

 うんうんっていう顔もかわEなぁ~」

って観てもいいんです。

だから自分のセリフターン待ちで、

ボーっとした顔でいると、

「あ、●●さんボーっとしてる。

 う~ん、

 ボーっとしていてもかわE~」

となってしまいます。

 

 

何度も書いたおぼえがありますけど、

会話の「聞く演技」って、

喋る演技の何十倍も難しいんです。

 

次に誰が何を言うか脚本に書いてあって、

分かってるのだから

当たり前なんですけどね。

 

この、

「あなたは恥ずかしいと思いませんか?」

に反応して立ち上がる。

「私は県政に身を投じてやってきました。

 一つもやましい所はありません」

したら他の県議会議員が、

「あなたは不信任案が可決された事を

 どうお思いですか?」

これには、苦渋の表情を作って、

「私は・・・間違いもあったかもしれません。

 ただ県政には・・・県政には・・・」

今度は後ろの秘書がゆっくり立ち上がり、

「この人の言動を、一番身近で見ていた私が、

 不信任案を支持します」

それを聞いて、

口アワアワショックな演技・・・

どう?

エ?

やり直し?

もう一度最初から?

 

自然にやるのも大事ですが、

舞台は

お客さんから遠いので、

自然に自然にと「聞く演技」を

まぶたで表現しても、

よく見えません。

 

お客さんに見えるくらい大きく、

なおかつ

自然に見せるのです。

 

はい?

例文が

最近何かあった西の方の事っぽい?

偶然ですよ偶然。

 

 

台詞を言い合っていると、

ついつい‘‘間‘‘の事を考えなくなってしまいます。

 

脚本上、

「でも・・・・」

のように「・・・・」

で書かれた部分。

 

これは、

「・・・」の時は必ず‘‘間‘‘を

入れなくてはならない。

という指示ではなくて、

「でも」

の後に続けて言おうとした

「・・・」

だったり、

何かを考えてる

「・・・」

だったりするわけなんです。

 

「・・・・」

が、0,5秒でもいいわけだし、

逆に4秒とってもいいし、

そこに正解はありません。

 

ただ

作者はなぜここで「・・・」を書いたか。

を考えないと、

書かれたセリフを投げて投げ返すだけで、

 

そろそろ私のセリフの順番だ。

演出の指示通りに、

こっちを見て、

諭すような言い方で、

間を詰めて、

 

*@<>%#!?

 

ちゃんと言えた?言えた?

OK言えたね!

 

みたいな芝居になってしまいます。

 

これはね、

本当に難しいんです。

 

演出家によって、

‘‘間‘‘の取り方も違うから。

その演出する人の

‘‘生きる上でのリズム‘‘

みたいなものが根底にあるのだと思いますけど。

 

 

馬場君演じる和男が、

金谷さん演じる母親のみちの所に

お見舞いに来るシーンがあります。

 

母と息子で話すのですが、

四人部屋なので他の患者、

つまり、

他人に

親子の会話の内容を聞かれています。

 

これね、キツクないですか?

他人に親子会話丸聞こえ

なんて状況。

 

お父さんさぁ~

最近、

遊びにばっか行ってるよね?

 

って息子に言われるのを

聞かれるのなんて・・・

 

いや遊びにって言ってもさ、

映画観に行ったり、

神宮球場に行ったりしている

くらいだよ。

あとは本屋か。

あ、ゴジラ博にも行ったな。

 

だからそれが遊んでるって事じゃないの?

 

いや~~~~!!!

恥ずかしい💦

 

どっちかっていうと、

 

まぁ

こないだ銀座のキャバクラで

シャンパン開けて

十万使っちまったけどな。

でも最近は銀座も月一回しか

行ってないぞ。

 

くらい言いたい。

(発想が金持ちだけど貧相)

 

 

まぁ何が言いたいかというと、

 

シチュエーション

 

状況

 

って事です。

 

病院での相部屋になったこの患者さんとは、

どのくらい親しくなって、

どのくらいの感情を私は持っているのだろう?

短期間でめっちゃ親しくなったのか。

それとも、

仲良くなったようでいて、

どこか警戒心を持っているのか。

この人がおかしな言動をしたりして、

どこまで突っ込んで大丈夫なのか。

「何やってんの!」

ってバシっと頭を叩いたけど、

これは劇団員の△△さんだからやったのか。

それとも役柄の◇◇さんと思ってやったのか。

 

看護師さんに怒ってドロップキックをしたけど、

病院の患者さんは看護師さんに怒った時に

ドロップキックするだろうか?

 

うん、

するよね。するする。

こないだネットニュースで出てた。

 

セリフが入ってきたので、

今度は周囲の人々と私の関係は

どうなのか?

を考える時期なのです。

 

あ~、、、

なんかうんちく臭いブログになってしまった。

これは、

おっさん的すぎて、

みんなに敬遠されてしまう(*_*)

 

 

娘の飼ってるウサギの写真でごまかそう。

 

 

ねこよう

 

 

皆さま、おはようございます。浅川こころです。

毎日毎日暑いですね。もう9月も後半だというのに、まだ気温は30度超え・・・。秋はどこでしょうか。早く小さな秋を見つけたいものですね🍁



さてさて。そんな秋なのに真夏日の中。本日は、恒例の舞台装置制作日でした。初日です。

前半は、ねこようさんと佐藤さんが中心となり、張り物の長さや枚数を確認して、どれをどう使うか設計図?のようなものを書いてくださいます。




その間に、他の団員は必要な小道具の大捜索。

しかし、小道具がしまってあるのは2階、の少し上。(ロフトみたいな感じ)の場所。そして空気というものは暖かいほど上へ行きます。つまり、上るとものすごく暑いのです。ものの数秒で汗だくです。

まぁ、私は上っていないのですが(^^;)

上ってくださった、鳴海さんや大希さんたちがヒイヒイ言っておりました。
上ってくれた皆さん、ありがとうございます。お疲れ様でした🙏

ちなみに私は、写真係&馬場さんと金谷さんと野口さん(体験入団員)と舞台で使うベッドの捜索をしていました。

その時に思ったのですが、本当にいろんなものがいろんなところから出てきて劇団かに座の歴史のようなものを実感しました。





そしてお昼を挟んで後半戦。
ねこようさんと佐藤さんの指示を頼りに、張り板をギコギコしたりトントンしたり、ガガガガギュイーンってしたりします。(ノコギリと金づちとインパクトドライバー)
たまにベニヤ板をガリガリしたりも。(カッター)

今回、かに座の装置制作初参加の方も数名いたので、その方たちにも実際に作業をしていただきました。
そして私はその姿を撮影📸







・・・ちょっと待って?皆さん、慣れるの早くないです?

カッターでベニヤ板キレイに切れてるし。インパクトで数回やった辺りからスムーズにネジ入れられてるし。ノコギリも順調に切れてるし。金づちも軽快に……。すごいです✨✨

私なんて、いまだにインパクト真っ直ぐにならないし、ノコギリも真っ直ぐになってないって何回も指摘されたのに・・・。

私自身は真っ直ぐやってるつもりなんですよ!?
でも、傍から見ると斜めになっているらしくて・・・。少し削った跡を見ると、確かに曲がってて。

やっぱり、性格が曲がってると道具にもそれが出ちゃうのかな。ほら、手作りのものって性格が出るって言うじゃないですか。

って、誰が性格ねじ曲がってるですか!!(自分で言ったんや)

あ、でも、金づちは意外とスムーズに釘をグキってやることなく真っ直ぐ打てましたよ!

私は切るより殴る方が得意なのかも・・・(言い方物騒)


というわけで(?)
装置制作一日目が終了しました。
明日の作業は私はまだ知らない状態ですが、明日もみんなで協力して頑張りますよ!(*òωó)ノ おー


では、明日に備えて休みますので、今回はこの辺で。


ここまで読んでくれてありがとうございました。

それでは、また。

浅川 こころ

そんなわけでございまして、

 

またコイツかよ

コイツしかいないのかよ

誰か女の子出て来いよ

それか若くて謙虚な人は?

 

という声が飛ぶ中、

 

ねこようです。

 

 

9月某日(金)

 

今日は、

稽古に参加しました。

 

おしまい。

 

 

あれ?

 

いや続きが・・・

 

出て・・・

 

こないねなかなか・・・

 

あのね、

芝居の稽古って、

つまんない時もあるものなんです。

 

いやいやそんな事ないでしょ。

私は芝居を愛しているし、

稽古にも楽しく毎回参加しているわ。

なんなら毎日稽古でも楽しいくらいよ。

 

今この時点でも芝居の稽古をしている、

日本全国何千何万の人たち、

そういうのは分かってる。

分かってますよ~。

 

ただね、

役者や演出や裏方

関係者もろもろが見ていると

楽しいかもしれないけど、

全く関係ない他人が見ても、

つまんないものなんです。

 

同じシーンを二回くらい繰り返して、

演出が何か言い、

役者がそれに答える、

もしくは答えようとしている

演技を見せ、

時には演出と役者でディスカッションする。

 

終わった?

じゃあ今度はどこやろうかな・・・

今いる人が出てる場面は・・・

 

また違うシーンを

二回ほど繰り返す。

 

何年か前、

東京の有名な新進演劇集団の

稽古風景を撮った

ドキュメンタリー映画を観ました。

 

こりゃ演劇やる身としたら、

面白いし勉強になるんじゃないか。

 

そう期待して観ていたら、

 

役者が長台詞を喋る。

それに演出が注文をつける。

そして役者がまた同じ長台詞を喋る。

それに演出がまた注文をつけ、

またまた長台詞を喋る。

 

結局、本番公演のシーンを含めて、

同じ長台詞を5~6回も聞かされる

羽目になりました。

 

そうなんです。

反復練習なんです。

ただ、反復練習の中にも、

少しニュアンスを変えた。

少し言う感情を変えた。

とかあります。

でも、、、

それをただ見せられたって

つまんないよ。

 

毎回、

稽古の中にも

少しは面白い所ありますよ。

 

北園さんフワフワ演技

とか

馨ちゃん何度言ってもこの台詞入らんぜ

とか

なるみまた代役楽しんでる

とか。

 

 

ただ、

北園さんとか馨ちゃんとかなるみとかを

知らない人がそれを読んでも、

何のこっちゃ意味わからん。

 

結局、

内輪受けになってしまうんですよね。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(カノンのようなオルゴールのような

スピリチュアル感のBGM)

 

想像してみてください。

 

あなたの目の前に、

木彫り職人がいます。

 

 

(森の小鳥のさえずりのBGM)

 

男でも女でも、

美しくても、

いかつくても構いません。

職人は、

茶色い作務衣を着ています。

 

 

(バイオリンの調べのBGM)

 

木彫り職人の前に、

正方形の木があります。

職人はこれから、

それを彫って仏像にします。

 

 

(カナブーン「ないものねだり」のBGM)

 

職人がノミとカンナで木を彫り出しました。

あなたはその作業を見ています。

職人は、

凄い勢いで木を彫っていきます。

これからどんな仏像が出来るのだろう?

 

木の上の方が丸みを帯びてきた時、

突然、

職人が手を止めました。

 

あなたは聞きます。

 

どうしたんですか?

 

職人はこちらを見て言います。

 

今日は、ここまで。

 

エ?

せめて、

仏像の顔の輪郭くらい彫れないの?

ここまで見ていたんだから。

 

あなたの言葉が聞こえたのかどうか、

職人は、

立ち上がり、

作務衣についた木くずを払って、

部屋から

出ていってしまいました。

 

(辛島美登里「サイレントイブ」のBGM)

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

長くなりましたが、

まだ作品作りが

初期すぎて、

言語化してもつまんないんですよ。

 

じゃあ、いつ面白くなんのよ!

 

いや知りませんよそんなの。

こっちは、

本番を面白くするのが最終目標だから。

 

でも、

映画のメーキングとかが

面白かったりするじゃん?

 

あれは、

編集しているから面白いけど、

何十日も密着しての二時間でしょ?

ってことは、

残りの何十日-1と22時間は、

面白くない時間だったって事ですよ。

(☝憶測と言い切り!)

 

とにかくね、

そんなに稽古場に毎回毎回

事件やアクシデントなんか

起きなくて、

稽古始まりと

何も変わらない顔で

お疲れ様している日だって

たくさんあるんですよ!

 

そういう

ドラマちっくじゃない稽古の日だって、

必要なんです!!

 

ハー、ハー、ハー・・・

 

世にある芝居稽古紹介文章の

ほとんどが面白くないのは、

そういう反復練習の中、

 

男女が見つめあうシーン写真を載せて、

「ここは物語の重要場面です」

とか

 

明るいお調子者役者の

(☝ちょっと言い方に悪意が💦)

変なポーズ写真とかを載せて、

「また●●さん超ウケる!!」

とか

 

‘‘楽しい稽古してますよ‘‘的な事を書いて

 

〇月×日~△日

□◇ホールで、

お待ちしてま~す。

 

くらいしか書けないからなんです。

 

 

「今日も、

 演出の矢田さんと

 主役の弓子さんが、

 胸倉つかみあって、

 殴りあおうとするのを

 みんなで止めました。

 弓子さんは、

 前回の稽古で一発多く殴られたから、

 今日は倍返しだ!

 なんて叫んでました。

 私は堺雅人が好きなので、

 使い方を間違えてほしくないです」

 

そりゃ面白いけど、

そんなの表に出せないからね。

 

てか、

そんな仲悪くちゃ、

芝居作れないだろ。

 

 

そんなこんなで、

まぁあいかわらず、

ほとんど現場の稽古場の

日記ではないブログ、

終了します。

 

 

あぁ弓子さん、

そこそこ。

 

はい?

だから、

仏像彫ったあとの木くず、

片付けといて。

 

どう?

仏像彫ると、

少しは気持ちが落ち着く?

 

そうか、

そりゃ良かった。

殴った人の数と同じ数、

仏像彫ろうね。

 

 

ああ、

いいよいいよ。

そこまだ腫れてるから

触んないで。

痛いから。

 

いやいやもう謝るのはいいって。

ホンット、

鉄パイプ振り回すの

もうやめようね。

 

それよか、

仏像彫って。
 

 

ねこよう

 

 

 

 

 

 

というわけでして、

 

稽古を長い事休んでいた

ねこようです。

 

 

いやね、

米不足って事で、

田んぼの見回りとか

しなくちゃいけなくて、

イノシシと遭遇したり、

ハクビシン捕まえたり、

大変だったんスよ。

 

確かに、

 

今日、台風くるか・・・

稽古休んじまうか・・・

 

そうだそうだ休んじまえ!

(心の中の応援団の声)

 

とかありましたけど

 

 

稽古では、

役者が脚本を離して

稽古をしています。

 

と言っても、

まだ脚本離したて。

 

 

記憶の中のセリフを

呼び覚まし呼び覚ましつつ、

 

相手が喋り終えて、

こっちのターンだってのは

知っているけど、

もう最初の一文字目が出てこないわん。

 

それか、

 

たーぶん、

こんなような感じの事を

言わなきゃいけないんだよね~

 

てな感じだ。

 

 

こうなると、

大変なのは演出助手の佐藤君なのである。

 

台詞が出ない役者にプロンプを入れ、

役者が適当な言葉に言い換えた台詞は

きちんと脚本通りに訂正し、

演出の言う指示もメモしていたりする。

 

 

プロンプ。

 

台詞が止まったりした役者に、

すかさず次の台詞を伝える役割です。

 

ただこれが簡単なようで難しく、

なんと言っても役者は人間だから、

台詞が出てこない時に

アラームなんかで教えてくれない。

そして止まったかと思って

すかさず次の台詞を発したら、

台詞の前の‘‘間‘‘

だったりして、

気持ちを作っていた役者に

手で制せられる事もあるのです。

 

だから役者を観ながら、

脚本の字も追いーの、

で演出助手は大変なのです。

 

ちなみに私の場合は、

役者6.5割

脚本3.5割

の割合で観ながらプロンプを入れます。

 

この「.5」をつけるあたりが

人間のスケールの小ささを感じるが・・・

なんなら「.574」

くらいまでやってやろうか

なんて思ったりする。

 

 

役者って、

セリフが出てこない時に、

一瞬「素の顔」になるんです。

苦いものを食べたような、

脳内から言葉をひじり出すような。

その時に最初の一小節か二小節を

パパっと入れると、

あーそれそれって感じで

スルスル次の台詞が出てきたりします。

 

記憶力を使って台詞を絞り出してる時に、

演出から

「こういう風に言って」

「そこは詰めて言って」

「そこで顔を上げて」

なんて言われると、

脳内の記憶をつかさどる海馬と、

脳内の想像をつかさどる前頭葉と頭頂葉は、

どうなっているのでしょうか?

 

さぁ、前振り前振り♪

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

株式会社NOWでは、

各部署が忙しく活動していた。

 

特に記録担当のKAIBA課は、

今が繁忙期である。

KAIBA課課長のオーボエ氏は、

部下たちに声をかけた。

 

よーし、

第四幕の「え?」までメモリしたぞ。

みんな、一息入れようや。

 

そして十人の部下の為に

二万円しか入っていない財布から

ニ千円を出し、

一番若手の眼鏡をかけたアンキ君に

「悪いがそこのコンビニで

 飲み物でも買ってきてくれ」

そう頼んだ。

 

「ワルイガソコノコンビニデ

 ノミモノノミモノ・・・」

 

アンキ君はそうブツブツ言いながら

オフィスを出ていく。

 

こんな言葉まで正確にメモリしなくていいのに。

 

オーボエ氏は椅子に座り、

ふーとネクタイを緩めた。

そう言えば昨日も終電で帰ったな。

 

突然、

オフィスのドアが開くと、

アンキ君がニ千円を握りしめ、

眼鏡の奥の両まなこを

見開いている。

 

「どうした?」

「ト、トウヨウの奴らが・・・」

「トウヨウが・・・どうした?」

「動き出しましたー!!」

 

「なにー?」

 

去年、

ゼントウ課とトウチョウ課が合併した

トウヨウ課の連中だ。

いろいろ想像してくれるのは良いのだが、

やりすぎるとこちらのメモリが破壊される。

 

ここ一カ月は大人しかったのに、

急に活動を開始したようだ。

 

なんてこった!

 

オーボエ氏は急いでパソコン内部を確認した。

 

おー、

第二幕のセリフが

「デテコナイ」

「ココナンダッケ」

「ア、マチガエタ」

「ゴメンナサイ」

「ハヤクオボエマス」

「イイニクイ」

に上書きされている。

 

せめて第六幕をメモリするまで、

トウヨウを抑える事は出来ないのか?

 

ダメだ。

次から次へと、

「コノトキノキモチハ・・・」

「モットアカルクイウ」

「ゴビヲサゲルナ」

「キリカエロ」

「マヲトリスギ」

がメモリボックスを侵食していく。

 

こ、これは・・・

 

十人の部下たちが、

負けじとキーボードを打ち込んでいった。

二十本の腕のタイピングの音は、

さながらピアノの連弾のようにオフィスに

鳴り響いた。

 

だが・・・

「ソッチノイイカタジャナイ」

「ゼンタイテキナナガレガ・・・」

挙句の果てには

「ハヤクセリフガハイッテカラダナ」

までがメモリボックスに落ちてくる。

てか、

それなら台詞をメモリすれば

いいんじゃないか?

 

焦りと疲労の見える部下たちを見た

オーボエ氏は、

オフィス電話を手に取り、

内線868にかけた。

 

呼び出しベル一回で、

電話の向こうの相手は出た。

 

はいー、

PURONPU課です。

 

明るく若い女性の声が答える。

 

こちらKAIBA課です。

第一幕以降は今のところ、入りません。

お、お願いします・・・

 

ハイ!

かしこまりましとぅわ~!!

 

女性は奇妙な語尾で答えると、

意外に冷たくガチャッと切った。

 

ツー、ツー、ツー、ツー・・・・

 

無情に鳴る受話器を片手に、

オーボエ氏は十人の部下達の顔を見た。

 

みな、

自分たちの力が及ばなかった悔しさで、

魂が抜けたような表情をしている。

 

悔しいよな。

PURONPU課には頼りたくなかったよな。

オーボエ氏は眉間の皺を右手でつまんだ。

 

そんな中、

アンキ君がおそるおそる手を挙げた。

 

「ツー、ツー、ツー、ツー、24回。

 メモリしますか?

 おっとそんなこと言っているうちに、

 ツー、ツー、ツー、35回だ。

 どうします?

 これだけならまだメモリボックス

 入りますよ」

 

その言葉を聞きながら、

オーボエ氏は、

どこまでがパワハラだったっけな。

と必死に自分の記憶を探っていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

そう言えば、

全然関係ないのですが、

NHKBSの

「団地のふたり」

ってドラマが面白いです。

 

小泉今日子と小林聡美の

幼馴染感

がすごくいいです。

 

稽古来ないけど、

ドラマ観る暇はあるのか?

 

 

ねこよう

 

 

 

吉永君は、

九州の熊本から来た、

転職組の新人職員だ。

 

付き合っている彼女がこっちに住んでいて、

遠距離恋愛をしていたのだが、

やはり交通費が馬鹿にならないという事で、

こっちに来て彼女と暮らしている、

素直で優しくて

誰からも好感を得られる青年だ。

 

最初は、

「横浜」

という響きに、

すげぇオシャレで

センスのある都会

みたいなものを描いていたらしい。

 

「だから、

 住んでる人もすげぇオシャレで

 今風の都会人。みたいな人

 ばっかだと思ってたんですよ」

 

うんうん、そんなもんかねぇ~

 

「でも、ねこさんみたいな人も

 いるんですね」

 

ん?

 

「いや・・・

 言い方あれかもしれないですけど、

 田舎の・・・じいちゃんみたいな・・・」

 

・・・どういう意味だ。

 

オラおめぇら!

そっだら黒い靴で、

畑入んなべし!!!

 

ねこようです。

 

 

8月9日(金)

 

稽古は、

長ゼリフのシーンから入る。

 

長ゼリフ。

それは、

書き手がお客さんに聞かせる為に書く。

 

長ゼリフを喋るためには、

舞台上のそのほかの役者が黙らなければならず、

先ずはそのほかの役者が自然と黙って聞くような

‘‘喋り‘‘

でないといけない。

 

物語の後半クライマックスになって、

 

「俺が・・・

 初めてヤクルトスワローズを

 愛したのは、6歳の頃だった。

 あの頃は、三番が若松で四番が大杉でさ、

 まぁ、よく負けてたよね。

 親父とナイターを観に行って、

 夜道を歩きながら、

 負けてしょんぼりした俺の肩を

 親父が叩いてくれてさ・・・」

 

なんて話をし始めたら、

いやそんな事より私の息子の事が

それよかうちの母の事が

と、

登場人物は黙って聞いてくれないでしょう。

 

周りから口を挟まれないように喋るんです。

 

ちなみに私は喋っていると、

よく口を挟まれます。

 

私が人生悩みがあって相談したくて

呼び出したのに、

いつの間にか

目の前のあなたは悪くない。

よくやっているよ頑張ってるよ。

うんうん、うんうん、

いつ終わるのこの愚痴。

まぁ大丈夫だからさぁ、がんばってね!

じゃあお疲れさーーん、

あー、なんだったんじゃこの時間は。

みたいになります。

 

だから、

自分の表現で周りを黙らす。

みたいなものが必要になります。

 

難しいよね~。

そんなね、

コツとかうまく喋る方法が分かってたら、

金取って教えてますよ。

 

「史上最強の長ゼリフのコツは、

 この動画からしか入手できません。

 一回980円。定期縛りなし。

 欲しい人は、

 今すぐ、ここをクリック☟☟☟」

 

・・・・・・・・・・・・

 

ここまできて言うのもなんだが、

ぶっちゃけ、

舞台監督は本読み稽古にいなくても

いいのである。

 

別にいない役者の代役をするわけでなし、

(セリフを読むのは役者やりたい人が

やればいいのだし)

舞台装置のプランを練るわけでもない。

(珍しいのか知らんが、

私は装置図面を書かない舞台監督なのです)

半立ち稽古の中盤くらいになって、

役者の動きがだいたい分かってきてから

稽古に入っても十分間に合うんです。

 

じゃあ何で稽古に来るんだ?

と問われると、

ん~、、なんとなく、、、

この作品の本質みたいなものが、

どこで分かるか分からないから。

なんです。

 

演出と役者のやり取りを聞いていると、

あ~、この作品ってこういう事なんだよな~。

ストンと落ちる時があるんです。

 

 

本読みを聴きながら

ノートにちょこちょこっとメモをしているが、

だいたいがどうでもいい内容です。

 

〇長ゼリフ オッス悩む

〇もう盆休み 関係ないね

〇また負けてる

〇火葬場 欽ちゃんの火葬場大賞

〇⤴⤵⤴⤵⤴⤵(セリフの喋りテンポ)

〇霞晴れたら なぜ晴れた? シャレード

〇遊べ 遊ぶのも難しい 公園か!

〇和夫 何歳? 仕事? 家?

〇なるみ代役楽しそう

 

 

ということで、

今日はここまで。

 

はい?

今日は、作品の本質は分かったかって?

 

分かるわけないでしょ。

 

分かってたら、

もうちょっと内容のある事を

メモしてます。

 

 

ねこよう

皆さんこんにちは。

 

暑い日が続いていますが、

毎日お仕事頑張ってますか?

決して無理をなさらずに。

 

職場の上司への書類の最期に

「どうぞ処分はお好きなように」

と書いて締めた、

 

ねこようです。

 

暑くなりすぎて、

色々と

「そんなの知るか!」

ってなりますよね。

 

 

7月×日

 

今日は稽古に参加する人が少ないです。

 

月末なので、

今月末が締め切りの納品があったり、

末日締めの会計処理があったり、

バレたら良くない事を隠蔽工作したり、

みんな忙しいのですね。

(イヤ隠蔽工作は1/4くらいしかいませんよ!!)

 

本読みも、

キャストが揃っていないので、

いる人物の場面だけを抜き出しして

やっていきます。

 

今回は、

前回発表のあった通り、

キャスト十二名の大所帯でやっていきます。

 

キャスト十二名ですよ!!

 

3月の演劇博覧会では、

キャスト五名で脚本書いていたトコを

四名に減らされたのに・・・

 

今度から、

出演四名ぐらいの作品を書いて、

要求によって一人ずつ増やす方式にしようかな。

 

ヘイねこ。

どうした代理人のリマカ。

提出した脚本で、

出演者を倍の八人にしてほしいって

要求があったぜ。

そうか、

1人アタマ五千ドルで手を打とう。

そうだな・・・

早苗に生き別れの妹がいて、

武志は途中で整形手術する事にして、

斗真の死んだはずの師匠が生きていて、

あとは美佐江に飼い犬がいる事にしよう。

その飼い犬が、

美佐江の旦那の生まれ変わりって設定だ。

OKねこ。

相変わらずよく分からない脚本になりそうだぜ。

ハッハッハ、

ジョークにしちゃあキツイな。

いや、Noジョークだ。

・・・・・・・

 

 

本読みは、

演出から

「こんな言い方って出来るか?」

「こんな出し方出来るか?」

そうやって演出がちょいちょい

‘‘やってみよう。できる?‘‘

と言い出す時期に入っています。

 

今までの脚本本読み稽古で、

だいたい脚本を三回ほど読み終えたので、

役者がどういう感じで出力してくるのか、

分かってきたから

今度は演出が出していく時期です。

 

まぁそれに答えて出す役者。

その出したものに対して言う演出。

 

以前も書いたけど、

稽古は演出と役者の

キャッチボールなんです。

 

「私は(僕は)まだ経験が浅いから

 演出に出す所までいってない」

 

そんな事なくて、

台詞を読むだけでも、

役者は出しているのです。

 

どこぞのブログのように、

アレコレと小手先のギャグに走り

空回りするだけが

出す事ではありません。

 

役柄に真摯に向き合って、

自然と滲み出るものもあるのです。

 

稽古の途中で、

不安になる事もあります。

時間がかかっても出来なくて

もどかしい事もあります。

 

でも、

時間も不安も、

必要なものなんです。

何でもすぐに答えが

でるものじゃありません。

 

グーグル、

演技がうまく出来なくて

不安なんだけど、

どうすればいいかな?

 

「脚本読ンデ、

 演ジル人物ノ事考エロ」

 

GoogleやYahoo!は、

最大公約数の答えを教えてくれます。

でも、

その役柄に向き合って、

得た感覚や答えは、

自分だけのものです。

たとえそれが不格好でも、

人に笑われても、

まぎれもなく、

あなたしか得られなかったものなのです。

 

 

はい?

「処分はお好きなように」

と締めて上司に提出した後は

どうなったか?

 

上司からは

「‘‘処分はお好きなように‘‘

 ってほどの書類の内容ではないよね?

 これくらいでそんな事書くなんて、

 ちょっと自意識過剰というか・・・

 何かこういう書くもので、

 うまく伝わらない事でもあった?」

と言われました。

 

・・・・あーそう、、、ですね。

面倒くさい人間なんです。

わたし。

 

 

本読み期間もあと二週間の予定で、

八月中旬すぎからは

半立ち稽古に入る予定です。

 

 

ねこよう

 

 

 

 

お久し振りです!なるみです!

稽古場では、既に次回公演の稽古に入っております。

皆それぞれに、自分の役を悩みながら作っています…。

私も世界規模のWindowsのシステム障害に会社が巻き込まれただとか、オリンピックのサッカー見たいと言われ、夜中まで起きてるとか色々ありながら稽古に励んでおります。


さて。大変お待たせいたしました。

早速発表です。


2024年11月15(金)〜17日(日)

関内小ホール


第126回公演

「霞晴れたら」 ふたくちつよし作


以前上演した、「明日天気になあれ」の続編のようなお話です。

勿論前作品を観ていなくても楽しめる内容となっております!


続きましてキャストです。


坪井 清 須貝 竜也

前島 則夫 永坂 貴教

梅田 和男 馬場 大希

梅田 みち 金谷 陽子

幸田 かおり 浅川 こころ

大沢 由美 川上 馨

増田 文子 松井 寧子

山村 信江 千田 結月

前島 好子 田村 由美子

柳沢 絹代 北薗 ヒロ子

柳沢 隆子 おおたに とも子

橋本 園子 鳴海 悦子


となっております。


よろしくお願い致します。



ハーイ⤴

リスナーの皆さん

またはradikoを聴いている皆さん、

この週末の夜どうお過ごしでしょうか?

仕事で疲れちゃったな―

とか

人間関係で疲れちゃったなー

とかいう皆様に、

こんな一杯はいかがでしょうか。

 

『テルコのハッピーカクテル』(エコー)

 

スタートで―す

 

さぁって、

お便りまいりましょう。

横浜市にお住いの

ねこネコねこ丸さん51歳

 

はじめましてテルコさん、

私は、初対面の人と話すのが苦手で、

今いる職場でも新人さんとうまく喋れません。

職場の風評では、

ねこ丸と話が出来たら新人も一人前

と言われているそうです。

こんな私に、良きアドバイスを

よろしくお願いします。

 

う~ん、そうね~、

恐らく男性だと思うんだけど、

こういう男性多いのよね~。

やっぱりこういう場合は

自分から新人さんに心を開いていく。

もっと言えば、

周りの人にも心を開いていった方が

いいんじゃないかしら・・

 

エ?何?

めくる?

めくるの?

あ、もう一枚あったのね。

 

という質問を一か月前に投稿し、

テルコさんの「周りに心を開く」

というアドバイスを胸に

職場でも心を開き、

年上の女性には「おばはん」と呼び、

ミスした新人には

「どの指詰める?」と言い、

上司には

「ドアホなんですか?」と目を見て言い、

呼び出され、

職場のハラスメント研修を

一週間受ける事になって

しまいました。

どうすればいいでしょうか

 

う~~ん、、、、

心の開き方が、

ちょっと違うのよね~~

そういう正直さとかじゃなくてさ・・・

 

エ?

めくれ?めくるの?もう一枚?

まだあるの?

 

という質問を二週間前にして、

テルコさんに、

心の開き方が違うのよ。

とアドバイスを受けて、

ハラスメント研修後、

職場に戻ったのですが、

年上女性からは

「陰で言われるより正直に言われて嬉しかった」

新人は

「こんな怒られたの初めてで新鮮でした」

上司には

「久しぶりにアホと言われて、

 喝になったよ」

と逆に感謝されてしまいました。

テルコさんのおかげです。

ありがとうございました。

 

そっか~。

でもまぁなんか全て丸く収まるのが、

一番よね。

 

エェ?

まためくる?めくるの?

てかこれハガキなの?

お手紙サイズになってない?

 

だけど最近は、

年上女性からは、呼び方が

「ばあさん」「おばさん」「おばはん」

しかバリエーションがない。

新人職員は

「あのコには、‘‘海に飛びこめ‘‘って言って

 私には‘‘まぁがんばろうよ‘‘って言った。

 私は期待されてないんだわ」

上司には

「ドアホって言うあんたはどうだ!」

って怒鳴られたりしています。

バリエーションを変えないと飽きられて、

新人は平等に扱わないといけなくて、

上司は我に返ったんだと思います

どうしたらいいでしょうか?

 

何コレ

これ答えなきゃダメ?

え~~と、

じゃあ、

ねこネコねこ丸さん、

ちょっとお時間をもらえませんか?

いえ断わっておくけど

コレ伏線とかじゃなくて、

なくてね、

ちゃんと考えてお答えしたいなって

テルコ考えてますので。

番組後半でお答えします。

 

ではリクエストいきましょう。

ねこ丸さんのリクエストで

「女子高生の使ったハンディ扇風機」

・・・・・

 

エ?

これ歌のタイトルじゃないの?

クリープハイプのアルバムに

入ってそうじゃない?

違うの?

純粋に欲しいもののリクエスト?

 

ハーーーーー。

 

ではリクエストいきましょう。

中島みゆきで

「あした」

 

♪もしも明日私たちが

 なにもかもを失くして

 ただの心しかぁもたなぁ~い

 やせた猫になぁっても~~

 

 

ねこようです。

 

稽古場に行くと、

発生練習中で、

佐藤君が仕切ってやってました。

 

声を出す。

という行為は、

基本中の基本なのである。

だから、

劇団四季も

最初は発声から始めます。

 

我々は何気なく誰かと会話して

声を出していますけど、

 

ちくわが好き?

意外と安いもの好きなんだね?

あ、イクラ?

ちくわじゃなくて?


みたいな事ありませんか?

無い?

じゃああなたの周りの人たちが、

気を使って聞こえてるふりをしながら

「ちくわだろうがイクラだろうが

 どうでもいいわ!」

って思っているのかもしれません。

 

とにかく、

声を出しながらも

はっきりと言葉を出す

「滑舌」

の練習もやります。

 

アメンボ赤いなあいうえお

 

とみんなで発声していきます。

 

滑舌に集中すれば声が小さくなり、

声を大きく出すのに集中すれば

滑舌が回らなくなり、

そうこうしているうちに

自然に動く

自然に反応する

自然に表情に出す

なんかも出てきます。

 

役者で最も難しいのが、

発声だと思っています。

 

なぜか?

 

役者は、一生懸命に稽古に通います。

そして三、四か月もその役の為に

努力を惜しみません。

本番を迎え、観客にも受けが良く、

観に来たお客さんから花束なんぞもらうと

もう有頂天です。

ああ、この何か月の努力が報われたんだ・・・

そういう事を繰り返していくと、

役者の心の裏側に、

自分でも気づいていないものが

発芽していきます。

それは、

驕り

です。

 

驕った役者が一番最初に手を抜くのが、

発声練習です。

「自分はもう声が出るようになったから

   いいんだ」

と。

 

ただ発声とはゲームのアイテムみたいに、

一度習得すればもう何もしなくて

いいわけではありません。

身体を使った行為なので、

日々その声が出せるように

訓練を維持していないといけないわけです。

 

ベテランになり、

「もう発声練習なんて必要ないや」

という態度でいた役者が、

年齢と共に記憶力と筋力が衰えた時、

というのを何人も見てきました。

あれだけ舞台で堂々としていた人が・・・

 

悲しい

 

と言うほかありません。

 

 

だから、

役者の皆さん、

発声練習を

「演技の練習じゃないから」

とおろそかにしないでください。

 

そういう私は発声練習中、

一っ言も声を発してませんけどね。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

本読みは続く。

 

前回の稽古では、

脚本もらったばかりなのでストーリーを追うのに

精いっぱいだったが

もう脚本を読み終えたので、

本読みをする役者の顔を見る余裕が出来たりする。

 

本読みが止まると、

演出から役者陣に、

「この役はどういうイメージ?」

「この長セリフはどう思って言っているの?」

といった質問が飛んでいく。

あとは

「大希、元気と勢いが良すぎるんだよな~。

  この役柄の性格としたら

 そうじゃないんだよ~」

なんて言われたりしている。

 

役者って大変だ~。

だから面白かったりするんだけど。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

その時、

脳内の「県営植物園」職員の

緑枝子(25)は、

夕暮れのビニールハウスの中で悩んでいた。

来年度の植物園の予算の都合上、

「演技葉」

「書く葉」

のどちらかの育成をあきらめないと

いけないのだ。

 

「演技葉」は、

ところどころ葉の色が悪いけど

まっすぐに成長している。

少しずつ長くなるのを育てるのは楽しい。

 

「書く葉」は、

こっちから針葉が出たり

こっちから大きな葉が出たり、

次は何が出るか分からなくて育てていて楽しい。

 

課長さんには

「このビニールハウスは緑さん担当だから、

 どちらを選ぶのか緑さんにお任せするから」

って言われた。

 

う~~ん・・・

どちらも緑が大学卒業して入社したこの植物園で、

初めて種を植えて育てたものだから愛着がある。

ただ「演技葉」は

先週に行った東京の植物園にも、

よく行く隣町の植物園にも

もっと立派なものがある。

 

「書く葉」は・・・

他の植物園では

きれいな「書く葉」を見たりするけど、

この「書く葉」はバラバラでまとまりがなくて、

お世辞にもきれいとは言えない。

 

二つ並んだ植物を目の前にして、

緑さんは腕組みをして悩んでいた。

 

「・・・ごめんね」

 

緑さんは、

アイリスオーヤマ「超強力除草剤」の蓋を開け、

「演技葉」の根っこの土に、

それをトポトポとかけていった。

液体の除草剤には、

緑さんの涙も混じっていた。

 

翌朝、

朝早く出勤した緑さんは、

着替えるとすぐに自分の受け持つ

ビニールハウスに走っていった。

 

あれから帰っても、

あの判断で良かったのかしら。

と夜中まで寝付けなかった。

もしかしたら、

「演技葉」は除草剤に打ち勝って、

まだ元気に土に根を張り悠然と

緑の葉を揺らしているかもしれない。

 

 

ビニールハウスのドアを開け、

一番奥に走る緑さん。

「演技葉」は・・・

すでに葉が茶色になり、蕾も落ちていた。

ああ、でももう仕方がない。

私にはこっちがあるわ

緑さんが隣の「書く葉」の方に目をやると、

根っこに昨日は無かった芽が生えている。

あら?

眼鏡をかけ直してよく見てみると・・・

思わず、その場に尻もちをついてしまった。

「・・・悪ふざ系」

どんな植物も遊び散らす「悪ふざ系」

の芽だった。

しまった・・・

これが出ると、ちゃんと育たない。

てか、遊び倒すわ。

私のせい?

私が判断を間違えた?

 

緑さんは、しばらくの間、

尻もちをついた姿勢のまま、

呆然とビニールハウスに降り注ぐ

陽光を眺めていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

気が付くと、

本読みは終わり、

スタッフをどうするかという話に

なっている。

主催の馬場さんは、

誰ともなく

「何のスタッフやりたい?」

と聞いている。

 

最後に隣にいた私を見て

 

「舞台監督助手は? 欲しい?」

 

聞いてきたので即答で。

 

「いらね」

 

そういえば、

今日の稽古で発声含めて

私がちゃんと発した発言、

この

「いらね」

だけだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

それでは

テルコのハッピーカクテル、

そろそろこの番組もお時間となって参りました。

最後までお聞きいただいた皆様に、

明日は特別なナ・ニ・カ。

が訪れますように。

ではまた来週のこの時間まで。

シーユーアゲイン。バイバーイ!

 

はい?

ねこ丸さんのお悩みの答え?

番組後半でお答えしましたよ。

「スイカのカクテルコーナー」の後で。

え?

もしかして聴いてなかった?

どうせくだらないブログでも

読んでいたんでしょう?

そんなブログなんか読んでいないで、

来週は、

この時間にラジオを

FM254に合わせて下さいね。

それではもう一度、

シーユーアゲン。バイバーイ!!

DJテルコでした。

またね~~⤴

 

 

ねこよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某月某日

 

かに座から

「次回公演で舞台監督をお願いしたい」

と依頼が来る。

 

それ以前に軽い根回し的オファーは

受けていたが(大人の世界の香り)

これが正式の依頼となる。

 

こちらからも、

報酬は出来高払い稽古休みの割合

愛想悪いと言われると帰る

またはなんか気分が乗らないと帰る

今年はプロ野球の話題はこっちに振らない

(NPBセリーグ順位表参照)

風呂で洗髪前にMEGUMI推奨の予洗髪を

シャワーで15秒行う事

 

などの条件を代理人に伝える。

 

代理人のモウカ・リマカ(スペイン系)から

ZOOMで連絡が着て、

他の条件はOKだが、

MEGUMI推奨の予洗髪15秒は長いので

10秒に短縮された。

と英語で返答された。

 

「こちらの条件を飲ますのがお前の仕事だろう。

 お前今着てんの、

 FCバルセロナのユニフォームだよな?

 サッカー観ながら仕事してたろ?

 これだからスペイン野郎は!!」

 ☝(超偏見)

 

「ヘイねこ、何をいきり立っているんだ?

 君だってベイスターズのファンじゃないか?」

 

そう言うと、片言の日本語で

♪オー オオウ オオオウ

 ⅮeNAベイスタ~~ズ

と応援歌を歌い出した。

 

こちらはそれ以上何も言う気にもならず

(NPBセリーグ順位表第六位を再度参照)

ブチッとZOOMをダウンした。

 

 

 

ねこようです。

 

こちとら、

毎回依頼があって動く身です。

 

なので、

 

「ねこよう?

 あー、人間的にめんどくさいし、

 今回は呼ばなくていいだろ」

 

と決まると、

特に稽古場には行きません。

 

そうなると

私のこの稽古場日記を楽しみに待つ

ファンは悲しむのだろうか?

 

エ?

別に他のトコでいい?

鴻上尚史さんが新しい本出してた?

そっちの方が面白くてタメになった?

 

Amazon.co.jp: 君はどう生きるか : 鴻上 尚史: 本

 

 

面白いじゃないの💦

・・・皆さん読んでみてください。

 

 

とにかく、稽古場に行く。

 

脚本ってどこにあるかな~?

と聞いて、

浅川さんや馨ちゃんに教えてもらう。

今回の上演台本はもう決定しているのだ。

まだ正式発表は無いので伏せ字で書くと

「十●人の怒れる男」だ。

(☝伏せ字ベタ)

 

いやそんなの冗談に決まってるじゃないですかー。

ヤダー。

敷島さん、そんなふうに私の言った事聞いて

思ってたんですかー?

 

と、

先輩OLの悪口を本人に聞かれた

後輩OL風にごまかしてみました。

 

次回作は、

「十二人の●れる男」じゃないですよ。

まだ非公開です。

 

 

脚本を開いて読んでみる。

初見だから、

誰がどうで何がどうなのか全く分からない。

 

「前回の続きから読んでいきましょう」

となったので、

ページを追いながら

TOP開きの登場人物表に戻り、

「ああこの人はあの人の家族か」

と確認しつつ、読み進める。

 

ストーリーには流れがあって、

基本的にラストへ向けて山なりに

なっていくもの。

だと思っている。

⇒⇒⇒⇒⇗⇗⇗⇗⇑

こんな感じ?

 

だから中盤からラストへの盛り上がりに

向かう所を聞いただけなので、

場が温まった途中から参加した

家パーティーみたいな感じだ。

 

A「哲也の所での出産話、凄かったぜ」

ね「へー」聞いてないけど

B「あとさ、正美ちゃんの彼氏の話も

  ぶっとんでたの~」

ね「そっか~」誰か知らんけど

C「あとは、たくあんの話よね~。

  あれ、今思い出してもまた笑いそ・・・

  アハハハハ、あ、ごめん」

ね「ふーん」いや一ミリも面白くないけど

 

え?

これ誰が悪い?

てか、お前パーティー出るの苦手だろ。

 

 

その昔、

映画館は今とは違って、

自由席途中入場OKだった。

上映途中からそっとドアを開けると、

暗闇の大スクリーンに、

どアップのデカパイ姉ちゃん

(言い方!)

と、

それに囁く

演技力無視のマッチョメン

(だから言い方!!!)

がキスするシーンから

観始めたりした。

 

おぉ、

このデカパイ金髪姉ちゃんと、

(やっぱ言い方!!!)

台詞くらいしか覚えられなさそうなマッチョが、

(修正せず悪化!!!)

どんなロマンスがあって

キスするようになったんだろう?

 

ラストまで観終えて、

あれに繋がる前半はどうなってるのかな~、

なんてワクワクしながら座ったまま

次回の上映を待っていると、

敵との銃撃戦でマッチョが助けてくれたから

姉ちゃんトキめいた。

という

「安いな~」なロマンスだったりした。

 

話がそれました。

 

11月の上演作品

キャスト、スタッフ

ともにほぼ決定しています。

 

今後、

正式に発表されるものと

思われます。

 

私が舞台監督だと言うくらいは、

特に害なしなので

お伝えしておきます。

 

 

ん?

LINEのビデオ通話の着信だ。

 

ヘイ、リマカ、どうした?

何?

代理人の報酬を1%アップしてほしい?

てか、隣にいるデカパイ姉ちゃんは何だ?

お前、

女連れで俺にビデオ通話するとは

イイ覚悟だな!!!

ヘイねこ、何をアツクなってるんだい?

君もコーカミみたいに、

冷静になって笑えるジョークを言えよ。

うるさいほっとけ!!!

やれやれ、ジャパニーズは気難しいな。

ねこは特にだ。

そんなんじゃあ、

かに座のオファーもうまく出来ないぜ。

なぁシンディ?

そんな姉ちゃんといつの間に付き合ったんだ?

ああ、

旅行先で

テロリストの銃撃があった時に偶然助けたんだ。

 

安っす!!!

 

 

ねこよう

 

 

 

 

 

 

劇団員の馬場大希です。

6月28日(金)〜30日(日)に朗読劇に出演します。
初の朗読劇、初の主役です!!
少しでも多くの方に僕の声をお届けしたい!!
皆様のご来場お待ちしております!!
 
↓僕の出演するCキャストのご予約はこちら↓
※応援する出演者に馬場大希を選ぶことを忘れずにお願いします。
 
予約等上手くいかない場合は、Xで馬場大希で検索、またはかに座劇団員まで連絡をお願い致します。