
パースからボンベイへの途上で初めて立ち寄ったバンコク。
写真のような料金メーター付きタクシーが走ってなかった時代なので、空港を出た途端、いわゆる白タクのおっちゃんらが大挙して群がってきては、問答無用でヒトのスーツケースに手をのばす。
ボンベイ空港はさらに最悪。
白タクのおっちゃんらが到着ロビーにまで入ってきて、インド人特有の、アカベコのように首をユラユラさせながら「ノープロブレム」連発で、ムリヤリ自分の白タクに連れていこうとする(1998年に行った時には、そうした連中の空港内立ち入りは禁止されてました)。
弱冠ハタチの春の出来事でしたが、幸いにもメルボルンで東欧共産圏からの不良移民、インドシナからの悪質難民の対策を実践していたので、白タクごときに自由自在にされることはありませんでした。
しかし、そうしたメンエキがなく、知らない国の知らない道順に不安になっているところを優しそうに見える人に声をかけられたら、どうなっていたのかはわかりません。
ので、今回のルーマニアの惨劇にしても、日本人女性が外国で事件に巻き込まれると、きまって即座に大筋で、
「平和ボケした日本人」
「知らない人についてくなんて、バカじゃないのか」
と批判するヒトたちのほうが、却って平和ボケしてるようにみえてしかたがない。
糾弾されるべきは、ルーマニアの日本語学校を紹介したエージェントの無責任さや、ニュース解説者か何かの、
「日本人は英語は勉強していても、常識は学ばないのか」
といったコメントが容認されてるルーマニアの民度であって、被害者じゃない。
タイにもまた、日本の学生を対象にしたインターンシップを導入している会社がある(=その会社は、そうした日本人からカネをもらって、ほとんど無給で海外就業体験=タダばたらきさせる)けれども、バンコク到着時には空港で出迎えるぐらいの最低限の良識は必要ですね。
市内・空港間のタクシー代やガソリン代をケチったりせずに。