少人数で船を借り切る、日本でいうところの屋形船スタイルが「イイもの」の代表格なのだけれども、費用がバカにならない。
そこまでしなくとも、例えば、老舗のヨクヨーや高額ホテルのサービスを使えば食事も選べるし、アルコール代が食事代を上回ることもそんなに多くはありません。
その一方、「ワルイもの」として一刀両断するのは申し訳ございませんが、300名以上収容の近代的大型客船を模したお船の場合はたいがいペケ。
まずは、ビュッフェ形式の食事に300人400人が一斉に群がるサマは、ちょっとした難民船の様相を呈しているし、大切な食後のコーヒーがインスタントというのが、個人的にはナニにおいても耐え難い。
カリフォルニア巻きがデザートのコーナーに置かれているセンスも、ある特定の国からの集団観光客をコバカにしたものなのかな、となかば納得してしまうのですが、BGMは生バンドではなく、テキトーなオムニバスCD。
欧米ロックも中華歌謡もおりまぜになって川岸に近づくクライマックスは、セリーヌ・ディオンの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」。
「イイものをつくるためには、ワルイものにふれることも必要なんだ」
といったことをミック・ジャガーが山川健一さんに話していたこと(参照:山川健一著「ローリング・キッズ」 )を想い出しました。
↑のようなタイが世界に誇る文化財産の紹介は一切合切省略して、マジョリティな利用客たちがデッキの上でハダカ踊りサル踊り…。
この映画はタイでも大ヒットしました。