はじめは、ダイアー・ストレイツのニュー・アルバムの表題曲でしかなかった「ブラザーズ・イン・アームス」。
なのに、 毎日のように僕がラジカセで聴いていると、ある日突然、ルームメイトのスリランカ人がボロボロと涙をこぼしはじめたので、ビックリした。
ボニーMしか知らないようなルームメイトが、ノップラー節のドコにナニをそんなに泣いているのか、涙の理由を知りたくても、当時の僕の英語力では聞き出せるはずもなかった。
その数年後にスリランカの家に遊びにいった時 に、涙の理由がなんとなくわかった気がした。
シンハラ人とタミール人の民族的分断を続ける母国のことをメルボルンの地で想いながら、複雑なホームシックに陥っていたのかも知れません。
かといって、「ブラザーズ・イン・アームス」には明確な答えはナンニモないし、むしろ、
「人はみんな、いつかは死ぬんだから」
という絶望的なヒラキナオリなのだけれど、僕の大衆音楽愛好史のなかではちょっとした特別な存在の楽曲であり続けています。

