ミュージックショップに向かう途中で、一瞬、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」にヨロメキかけましたが、やはりアレはラストに残しておくことにして、「レット・イット・ビー」。
この、世界的に大有名なタイトル曲に僕が心をつかまれることはなかったのですが、金田一映画の劇中に流れる同曲に心がゆれた。
映画館のスピーカーが家のスピーカーより大きかった、という物理的な理由もあったのかもしれない。
横溝正史は若い頃から英米の小説を原書で読みこなし、専業作家に転向する前は大人気青年誌の辣腕編集長として昭和初期のモダン文化を牽引したトッポイ人物だったからといって、
・さぞかしビートルズにも造詣が深かったのだろう
とハヤトチリする人はいないと思いますが、昭和55年に出版された実質的遺作「悪霊島」にはシャム双生児は出てきても、ビートルズはビの字も出てこない。
ただ、メディアミックス商法を得意とした角川春樹にはビートルズ楽曲の使用に深いコダワリ があったようで、主人公の青春時代の象徴としてビートルズをあつかっています。
もっとも、公開当時においても、
「1980年12月8日を強引なまでにストーリーにからめておきながら、なぜ、ポールの2曲なのか?」
というオオセごもっともなツッコミはありました。
ちなみに、数年前に成田空港の売店で買ったDVDの中では、ビリー・プレストンが「ゲット・バック」を歌っていたので、それもまたラッキーでした。
かわゆさが残っていた頃の岸本加世子。
室田日出男の好演も忘れがたし。