けれど、今年の5月30日は、ひょっとしたら、タイから政党が消滅してしまうかもしれない、という由々しき一大事。
僕は「民主主義なんていう立派なものは、もともとタイにはない」と放言 したこともありますが、結党60年の民主党が消えてしまっては、タイはどうなるのだろうか。
「別にどうもならないから、オマエがそんなに心配することはナイよ」という声も聞こえるのですが。
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■国王陛下、憲法裁判決後の社会混乱ご懸念(「バンコク週報」5月25日)
最高行政裁判所の長官と裁判官が5月24日、プミポン国王に拝謁。
陛下はここで5月30日の憲法裁判所判決が正しくないと判断した場合には、批判するよう求められるなど、異例の「お言葉」を述べられた。
憲法裁判所は30日、政党法違反容疑で起訴されているタイ愛国党、民主党ほか、小政党3党に対して、判決を下す。
ここで有罪となった場合には、解党が命じられることになる。
このなか、国王陛下は最高行政裁判所の長官・裁判官に対し、「憲法裁判所が正しい判断をしなければ、国家は混乱する。皆には、憲法裁判所が正しい判断をしたかどうかを批評する権限と義務がある。私の中にはすでに判決があるが、それは公言できない。その権限がないからだ。それは、皆も同じことであるが、自分自身の判決を用意しておく必要がある」とご発言。
そのうえで、「(権限の問題で)〃公〃の立場で批評ができないとしたら、〃私〃の立場で批評しなければならない。もう国家をこれまでのように『沈没』させないでほしい。皆には国を沈没させない責任がある。混迷する現状打開のために全力を尽くしてほしい」と話された。
憲法裁判所は1審制であるため、控訴することはできない。
しかし、陛下は、審理権のない最高行政裁判所の裁判官に対して、個人としての判決を準備し、憲法裁の判決後、その判決を批評をするよう求めれた。
さらに、国家を混乱から救うよう指示されるなど、裁判に干渉するかのような「お言葉」を述べられることは、陛下にしては極めて異例。
現状に対する強い危機意識から出たともみられる今回の「お言葉」がどのような影響を与えるのか、注目されるところだ。
※1)憲法裁判所――憲法および憲法関連法に関する訴訟を審理する司法機関
※2)行政裁判所――行政および行政関連法に関する訴訟を審理する司法機関
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【大使館からのお知らせ】
外務省より下記の通り渡航情報(スポット情報)が発出されましたのでお知らせします。(2007.5.23)
~渡航情報(スポット情報)~
首都バンコク(タイ):政治集会に対する注意喚起
1. 現地報道等によれば、2007年5月30日及び31日、首都バンコクにおいてPTV(前首相支持者等が運営するテレビ局)やタ イ愛国党及び民主党関係者らによる大規模な政治集会が以下のとおり予定されています。
(1)5月30日(水)
(イ)時間:13時30分頃から14時30分頃まで
(ロ)場所:ヤワラート(チャイナタウン)近辺から憲法裁判所付近までの間
(ハ)規模:1,000人程度
(2)5月31日(木)
(イ)時間:16時30分頃から(終了時間未定)
(ロ)場所:サナームルアン(王宮前広場)
(ハ)規模:5,000~1万人程度
2. この集会は、タイ愛国党及び民主党を解党することの是非判断に対する抗議(あるいは賛同)、また、現政権及び国家安全保障評議会(CNS)に対する反対集会として予定されていると報じられています。
5月30日に予定されている憲法裁判所の両政党の処分に関する判断の結果次第では、更に大規模な集会に発展する可能性も排除されません。
3. つきましては、首都バンコクに渡航・滞在される方は、これら集会には近づかないよう十分注意してください。
また、暴動や爆弾テロ事件等、不測の事態に巻き込まれないよう自らの安全確保に十分留意してください。