今年は早朝からゴルフ場にいたので、華人でも華僑でもない、ど真ん中タイ人らの便乗無差別バクチク の喧騒を体験せずにすんだ。
夕方前にバンコクに戻って、チャイナタウンに出向いてみれば 人、人、人で、爆弾パニックの市民生活もほぼ平常に戻った。
新聞報道によると、年始の連続爆破騒動時には「家で読書を」と外出をひかえる人々が多く、1月は書籍の売り上げが伸びたそうですが、今はバンコクの書店も小奇麗なお店が増えており、「Jノベル」「Jサスペンス」なるコーナーもある。
第51回江戸川乱歩賞受賞作の「天使のナイフ」もタイ語版が陳列されている。

タイ語版はホラー基調な表紙ですが、少年犯罪を題材にしたミステリー。
が、未成年の人権がどうのこうのというよりも、どんでんがえしの連続が面白い。
最後はなんとなく「ああ、やっぱり...」と納得。
乱歩賞を初刊で読むのは初めてですが、横山秀夫の直木賞問題に関係しているもののか、巻末には乱歩賞審査員の選評が並ぶ。
さらには、過去の乱歩賞受賞作リストも掲載されているのの、僕が読んだことがあるのは「高層の死角」「猿丸幻視行」「テロリストのパラソル」ぐらい。
近作「闇の底」 も評判がよさそうですが、著者にはイッパツで終わらずにいてほしい。
- 薬丸 岳
- 天使のナイフ