5日午前8時30分。
移動中に仕事仲間のタイ人から、「●●大使館に爆弾が仕掛けられたそうです。気をつけてください」との電話。
外国人の僕に連絡してくるぐらいだから、他の友人らにも矢のような速さで「情報」を伝えていたらしく、仕事場では爆弾の話で持ちきり。
「タクシンが黒幕なら、●●は狙わないでしょ」
「今まで騒ぎのなかったこのエリアも安全じゃなくなった」
「昼飯は外出しないほうがいいね」
とか。
タイ人のピーチクパーチクを尻目に地下鉄半駅ぶん先にある●●大使館前に出むいてみると、コトの真相は、「未明5時、大使館付近のバス停に一個の粗末なバッグが放置されており、「不審物」と認定して点検したところ、中には着替え、日用品が入っているだけの、誰かの忘れ物にすぎなかった」ことが判った。
しかし、タイ人にそれを伝えても、「いや、それじゃない。新しい話だ。連中は真実をイントクしているんだよ」と言い張る。
僕の知ってる範囲でこうだから、大なり小なりの「都市伝説」はアチラコチラで広まっているのかも知れない。
昨日は「タイ北部都市の大型スーパーマーケットが爆破され、多数の死者が出た」という話も伝わったが、もちろん、事実ではない。
でも、僕はこうしたタイ人のピーチクパーチクを「デマの肥大化」と怒ったり、馬鹿にしたりする気にはなれない。
建造物爆破といった大惨事ならば、日本では即座にテレビ中継されるのだろうけど、早朝のプーケット大津波がバンコクで明確なニュースとなったのは夕方だった例をあげるまでもなく、タイ人外国人問わず「タイ国内で何も報道されていない」ことには却って不安が大きくなるばかりのようだ。
テレビ、ラジオはおろか、インターネットニュースですらアテにならないタイでは、昨年9月のクーデター時のように、携帯電話のショートメッセージが活用される。
同じく昨日は「クーデター内クーデター発生の可能性が高まる」の携帯電話メッセージが墨汁のごとく世間に広まり、ソンティ国軍司令官が緊急記者会見で噂を否定する始末。
こういう世相の困惑はこの先もしばらく続くんだろうけど、「I will stay at home this weekend. Town is very very dangerous ToT」と顔文字付きメールを送りつけてきた矢先に、「今日は金曜だから、どこかに食べに行こう」と電話をかけてくるタイ人には、「やはりドラム缶のように図太い神経なんだな」とつくづく感心するしかない...