こんにちわ、学生です。

 

今回から敗者復活の感想を全組書いていきます。

5081組という膨大な漫才師の中から選ばれた上位25組のうち、決勝へと進むことの出来なかった10位〜25位のコンビがネタを披露するのが敗者復活戦です。

 

そのため、敗者復活戦は1年で1番面白いネタ番組と言っても過言ではありません。

決勝戦と全く遜色ないと言っていいでしょう。

というわけで前置きはここまでにして見ていきます。

 

 

今年は敗者復活の観覧客が少ないのかなと思っていたんですが、見た感じ例年と同じくらいは入っていたんではないでしょうか。少なくとも200人以上はいましたね。

 

今回は祇園がコロナによって出場できず、本来16組のところ15組で行うこととなりました。

初めての敗者復活で、本人たちはもちろんファンも物凄く悔しかったと思います。

 

祇園が出場できる回数は残り3回。絶対決勝行ける実力はあります。来年、期待しましょう。

 

銀シャリの橋本さんが言ってましたが、確かに昔って敗者復活のコンビ数がめちゃくちゃ多かったんですよね。それを考えるとより今の敗者復活に残っていることがどれだけ凄いかが分かります。

 

直前コメント、みなさん面白かったですね。

コウテイ九条さんが昨年ミルクボーイが優勝した時のセリフを踏襲して言った「これ夢や夢」、ニッポンの社長ケツさんの「こうなったらもう漫才やりますよ!」はなんか頭に残りましたね。川瀬名人の「全員で決勝行けたらなと思ってます」とかも凄い好きでした。

 

例年敗者復活の結果発表時は、ネタを披露した全組が舞台に上がってギュッと詰めた状態になっていました。その熱気というか、勝ち上がった人を包み込むようなムードが敗者復活の大きな魅力でもあったんですが、今年はコロナの影響で上位3組のみが舞台に上がるということになっていました。

 

これは本当に残念でした。あのワチャワチャ感は番組の中でも特に熱いところなので本当に大好きなんです。仕方ないことではあるんですが...。今年一番コロナを恨みましたね。

 

長くなりましたがネタの感想書いていきます。

 

【1. 金属バット】

金属バットは数少ない準決勝と同じネタをしたコンビでした。

敗者復活は準決勝のネタをするコンビとそうでないコンビが結構分かれるんですが、今回は圧倒的に準決勝ではやらなかったネタをするコンビの方が多かったですね。

 

今年は例年と違い配信という形態もあったので、より多くの人にバレている可能性を考慮したコンビが多かったのかもしれません。

 

個人的に金属バットは準決勝で通ってもおかしくないくらいの出来だったと思っていたので、ここでネタを変えなかったのは間違いじゃなかったと思います。

 

最初友保さんが本当に寒そうで、肩が上がってしまっていましたね。途中まで寒さで手もさすっていましたが、ああいうのは見ている側が気になってしまうので、どうしても不利にはなってしまいますよね。今年は特に寒かった。

 

金属バットのネタの中ではかなりガチガチに構成が練られたネタで、ガーデニングのくだりなど伏線回収もあります。

 

「コンビニのトイレットペーパーを転売」「イソジンの買い占め」など、モラルの低い彼女という現代のテレビ的にはかなり強めのネタなんですが、そこは金属バットだからこそ出来ているかなと思います。

 

「タピオカ屋を脅している」に対しての「お前の彼女ヘキサゴンのOB?」というめちゃくちゃ鋭いワードから、「それとこれとはベッケンバウアーでしょ」という金属バットらしいアホフレーズもあって、緩急がすごくちょうど良いネタになっています。

 

最後のオチは「俺にかけてる生命保険を回収するまで別れへん」というものでしたが、準決勝だと確か「俺の持ってる日本国籍を欲しがってる」だったと思います。

 

本当に1番手じゃなかったら可能性はあったんじゃないかと思います。

なんだかんだで金属バットはもう来年ラストイヤーなので、絶対決勝行って欲しいです。今年は「このコンビを応援しよう」というのがそこまで多くなく、満遍なくどこも応援してたんですが、来年は金属バットを激推しすることになりそうです。

 

【2. タイムキーパー】

タイムキーパーも準決勝と同じネタなんですが、金属バットとは違いまだ結成2年目(芸歴もほぼ2年)ということで勝負ネタの数がそこまで多くありません。

 

そんな若手中の若手コンビが準決勝まで上がってきた。これだけでとんでもない快挙です。

昨年のくらげなども確か結成2年目での準決勝進出でしたが、彼らの場合は芸歴は8年ほど重ねていました。

 

結成歴だけでなく芸歴もこれだけ浅いコンビが準決勝まで来たというのは、東京ホテイソン以来ではないでしょうか。

 

「幼稚園の先生」は2回戦以外の全てで披露しており、それだけ本人たちにとっても自信のあるネタだったということが伺えます。

 

タイムキーパーのネタは、一つ一つのボケやツッコミに角度があるとか、フレーズ力が凄いとかそういうことではなく、ただただ構成力が半端じゃないです。あんまり本人たちも芸歴のことばかり言われたくはないと思うんですが、2年目とは思えない構成です。

 

ネクストバッターズサークル、アンパンマンのマーチのとこの回収の仕方は見事ですよね。流れに違和感がないというか、無理矢理回収しようとしてるのでは全くないんです。

 

それに加えて技術もあります。コント漫才としてものすごいレベルが高いです。

今回のネタに関しては安土さんの喋りがツッコミと言って良いのかは難しいところですが、コントに入りきっていたという意味ではすごく正しいと思います。

 

初の敗者復活とは到底思えないほど堂々とやり切り、一切噛むこともなかったです。というか噛む気配すらしなかったです。今後の活躍にも期待です。

 

【3. コウテイ】

 

コウテイは本当にヤバかったです。この日3番手でしたが、個人的には圧倒的に一番面白かったです。もう本当に感動しました。

 

完全に勝ちに来ていたというか、余計なものは全部排除して本気でこの敗者復活を取ってやろうというそんな気概がひりひりと伝わってきました。

 

正直準決勝の時点で、コウテイは決勝行っててもおかしくないなというくらいには面白くて、実際会場ウケも良かったと思います。

 

なので準決勝と同じネタするのかなと勝手に思っていたら、準々決勝のネタを持ってきました。結果的に最適解だったように思います。コウテイのネタの中ではかなり分かりやすい、伝わりやすいネタになっていました。

 

最近は「コウテイです」と言う前に「すなすなすなすなす」と言って始めるのが定番になってますね。コウテイにとっての定番のフレーズとして定着していったら良いなと思います。

 

「見たスギ薬局」「ズィーヤ!!」を省いていたのはファン的には寂しさもありますが、だからこそ本気で勝ちに来ているんだなということがより伝わってきました。

 

最初の「もうええわ」「なんで終わらすねん」でグッと注意を引いて、「嫁ちっちゃー!!」からは完全に空気を持っていった感じがしました。本当にずっとウケてました。

 

下田さんの激しく大きな動きを使ったボケに対する九条さんのツッコミによって、その動きがどんなボケだったのかが分かる。しかもその奇天烈具合もちょうど良い。彼らと仲の良い先輩である霜降り明星に近いような、そんな種類の面白さがありました。

 

ケーキを中から切るというとこが爆発してましたね。相当良いウケでした。そしてその後の九条さん全力の「なんでやねーーーん!!」

コウテイはこれも最近よくやっていますが、「なんでやねん」でこんなに笑ったことはないです。それくらい強烈な「なんでやねん」でした。

 

コウテイのネタではお馴染みのくだりで、「アホか下ちゃん、脳味噌捨てたやろ」「捨てるか食うたわ」「食うたんかい」というくだりがあるんですが、そこもかなり優しい表現になっていて、なんかもう感動しました。

 

途中からボケとツッコミが入れ替わるところは、ここ最近の一番の進化だと思います。去年か一昨年くらいから、下田さんをツッコミにしたネタなども時々見るようになっていたんですが、それを上手くボケツッコミの入れ替えという形でネタに取り入れています。

 

しかもお2人ともボケもツッコミも上手いんですよね。九条さんは元々ボケるのも好きそうですし、下田さんも強くツッコめるということが大きな武器になっています。

 

下田さんがボケのパートも、九条さんがボケのパートも同じくらいウケを取っていて、間違いなく今回の敗者復活で一番ウケたコンビだったと思います。本当に素晴らしかったです。絶対自力で決勝行けます!!!

 

【4. カベポスター】

カベポスターもコウテイに続いて準決勝とは別のネタを仕掛けてきました。

ただ彼らが凄いのは、今年のM-1ではこのネタを一度も予選では披露してきませんでした。

 

というよりも、カベポスターは今年準決勝にノーシード(これまで準決勝に進出経験のあるコンビは1回戦が免除)で上がってきたコンビの中で、唯一1回戦をTOP3で通過していません。

 

ノーシードで上がってきた他のコンビはその日の予選のTOP3に入っているので、1回戦の動画も公開されます。しかしカベポスターは1回戦の動画がないため、どのようなネタをしたのかは分かりません。

 

この「暗記」のネタはytv漫才新人賞で披露していたネタで(別の賞レースだったらごめんなさい)、それをこの敗者復活までネタバレのない状態で残せていたのは、彼らにとっての強みになっていたと思います。

 

カベポスターのネタは基本的に見ている側が少し考えながら聞く必要があるネタで、今回のネタもしっかり聞かないと途中から分からなくなってしまいます。

 

ただ前の出番がコウテイだったので、お客さんも聴く体勢が整っていたような気がします。コウテイは全くタイプの違う勢いのある漫才ですが、やはりあれだけウケた後はしっかり聴こうという姿勢になりやすいです。

 

最初のツカミからしっかりウケが良く、その流れを最後までちゃんと掴んでいたような感じでした。独特の空気感が会場に受け入れられ、その状態をキープできていたのがすごく良かったです。

 

ピークが「九九」の部分に来ていて、それ以降右肩上がりとまではいきませんでした。カベポスターが得意としている伏線回収を使わなかった分、終盤に近づくにつれウケが増加していくタイプではなかったものの、ネタの分かりやすさはすごく上がっていたと思います。

 

ここまで3組初の敗者復活が続いていますが、どのコンビも全く緊張を感じさせず、ミスもなくすごく堂々としていました。本当に凄いです。

 

【5. インディアンス】

敗者復活を制することとなったインディアンスです。

 

田渕さんは昨年のM-1グランプリでネタを飛ばしてしまうという事態が起こり、本人たちにとっては非常に不本意な形となった2019年のM-1でした。

 

そんなインディアンスも今年は敗者復活から決勝を目指すという形になり、緊張も特にしていなかったのではないかと思います。決勝の舞台よりも敗者復活の方が経験が多いお2人なので、15組の中では場慣れしている方でしょう。

 

インディアンスが選んだネタは準決勝で披露したものではなく、多くの舞台で何度もやってきた「ヤンキー」でした。恐らくネタ合わせせずともすぐに出来るくらい、このネタはやり慣れていると思います(想像ですが)。なので観ているこちらもリラックスした状態で見られました。

 

インディアンスらしいアドリブも見ることができ、何より楽しそうにやっていたのが印象的でした。

最も特徴的だったのが最初の「お待たせしました木崎です」ですね。コロナによって出場が叶わなかった祇園の木崎さんお決まりのフレーズです。

 

これによって、会場全体がインディアンスを後押しするような空気が出来上がった気がします。祇園ファンやM-1ファンを完全に味方につけました。

 

最初にきむさんがビンタするツッコミの時も、「寒いからいってぇ〜」というアドリブがあって、本当に一番敗者復活を楽しんでるなと思いましたね。田渕さんの明るいキャラクターは見ているこちらまで楽しくなります。

 

その後のビンタなんかはきむさんも本気で笑ってしまっていて、なんか単独ライブのような雰囲気でした。本当に賞レースとは思えないくらい和気藹々としてました。

 

インディアンスの場合雰囲気があっても全くネタの世界観は壊さず、むしろ良い具合に調和していきます。その終始楽しそうな様相が、途中経過での高得点や投票という結果に繋がったのかもしれません。

ただもちろんネタもしっかりしたネタだというのは大前提ですよ。

 

それとインディアンスの時に思ったんですが、今年は警告音が鳴らなかったんですよね。恐らくインディアンスは本来であれば警告音が鳴るくらいの時間はやってたと思うんですが、鳴らなかったです(私が聞こえてなかっただけかもしれません)。祇園の欠場によって1組減っている影響もあるのかなと思いました。

 

私は最終的にインディアンスには投票していないんですが、多分かなりの票が入るだろうなと思ったからです。自己採点の点数的には同率3位だったんですが、その理由のために入れませんでしたね。

 

 

今回の感想はここまでです。5組ということで想定していたよりも長くなってしまいました。

ちなみに私の投票結果が武智さんとユウキロックさんと全く同じだったのが結構嬉しかったです。

また次回もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。