こんにちわ、学生です。

前回の続きということで、4、5、6、7組目を見ていきます。

 

【4組目 すゑひろがりず】

2、3組目でかまいたち、和牛という2組が出て、完全にハードルが上がり切ったところでのすゑひろがりず。完璧なタイミングでしたね。ここで大会全体の勢いを殺さずにネタを披露できるのはこのコンビしかいませんでした。こういったネタは、完成し切った漫才を見た後のお客さんの緊張も解してくれます。ただただ緊張を捨てて楽しんで見られるんですよね。

 

そしてネタ自体も面白い。ちゃんと中身は漫才になっていて、古語もわかりやすいものをチョイスしています。一気飲みを促す時の挨拶に「召せ」という2文字を使っているのも、語呂が良くて面白いです。

 

ツッコミの時、南條さんが普段通りの喋り方に戻っているにもかかわらず、話す言葉は現代のものでないのもいいですよね。個人的にもっともツボに入ったボケは、「関白遊び」ですね。最初にこの単語を聞くとなんのことかわからないのですが、「関白だーれだ」というセリフによって全員がこれは王様ゲームであると理解する。いいですね〜

 

でもここ最近のM-1でこういったネタを見られるとは思っていませんでした。小道具持ったコンビなんてテツトモ以来ですからね。

 

点数の方ですが、発表された時に「マジ?」と素が出ていたことに爆笑しましたね。

それはおいといて、巨人師匠が92点をつけていたのは意外でしたね。漫才に対してすごく柔軟な考えを持っているのが伝わってくる点数でした。皆さん89〜92という一貫した点数をつけてらっしゃったんですが、こういうネタは審査員の方々にとってもいいですよね。

敗退したニューヨークのコメントも良かったですね。(最近はこのコメントも面白くないといけないという風潮があって、芸人さんたちにとってはしんどいでしょうね。完全に他人事ですが。)

 

 

【5組目 からし蓮根】

今年のM-1で絶対決勝に残ると思っていたコンビです。最近の彼らの漫才の上達具合は凄まじいですからね。特に青空さんのツッコミがメキメキと上手くなっています。

 

巨人師匠が仰っていた通り、今回のからし蓮根は絶好調でしたね。ただytvの時ほど客のウケは良くなかったんですが、最後のバックで逃げるボケはしっかりと爆笑をとっていて、あれは計画通りだったんじゃないかと思います。あれは直前のボケの数を最小限にまで減らして、空気をいったん静かにさせていることで最大限に笑いを引き出しています。ように感じます。

 

伊織さんは他の出場者たちと比べると、上手いとはいえないかもしれませんが、それでも本番で自分が出せる実力をしっかり発揮しましたね。それはしっかり点数にも表れています。

 

松本さんは「本調子じゃないんだろうな」と仰っていたんですが、そう感じていても90点をつけているというのは、まだまだ伸び代があると感じていることの裏返しでもありますよね。この後の巨人師匠との絡みも面白かったですし、青空さんが泣きそうになっていたのにこちらも涙しそうになりました。

 

それにしても上沼さんはどうしたんでしょうね(笑) とんでもなく熱くなっていましたが。ネットでもこれに対して賛否の声が挙がっていたみたいですが、上沼さんは来年は絶対決勝にストレートで上がってこいよという意味で話していらっしゃったんだと思いますけどね。今年で和牛はM-1を卒業すると聞いていたのなら、また違っていたんじゃないかなと思います。

 

【6組目 見取り図】

最近のM-1で見られる、くじから名前が引かれた時に他の芸人が「行って来い!」と背中を押す感じの雰囲気が大好きです。(なんでこのタイミングで言った?)

 

あと会場もざわついていましたが、昔の写真は最高でしたね。完全に確信犯でしょうあのチョイスは。

 

今年は順番も良かったですね。あのネタがウケるには一番いい順番だったようにも思います。今回のネタは劇場でも拝見したことがあるんですが、やはり勝負の場で見ると同じネタでも全然違いますね。もちろん劇場でもウケていたんですが、それでも仕上がりが全然違っていました。

 

途中で盛山さんが噛んでしまう場面がありましたが、圧巻でしたね。ああいった噛んだ時に言う言葉は、何度も舞台に立つ中で出来上がっていったみたいですが、それでもM-1グランプリの決勝という場で咄嗟に口から出るのは物凄いです。

 

ネタが進むにつれ、一つ一つのワードセンスが上がっていくのも良いですよね。漫才の理想的な形です。ちなみに私は「熱中症になった櫻井翔」がイチ推しです。

 

個人的に嬉しかったのが、見取り図お得意の、最初の方に入れたフリを最後に回収するというボケがしっかりとウケていたことです。昨年も同じことをしていたのですが、ミキも同じタイプのボケをネタに取り入れていて、被ってしまったことによって優劣がついてしまいました。さらには伝わりづらかったのか、お客さんのウケもあまり良いとはいえず、残念なことになっていました。それが今回はしっかりと狙い通りに笑いを取れていて、ほっと一息つきましたね。もう気分は親御さんです。

 

点数もかなり良く、昨年3位のジャルジャルを上回るような点数が出ました。この時点で1位かまいたち、2位和牛、3位見取り図という並びでしたが、これだけ初進出がいる中で経験者3組がファイナルに残ったら激アツ展開だなぁとか勝手に思っていました。例年ならこんな高得点出したらほぼ3組の中に残れますからね。

 

審査員の方々の評価も概ね良く、この1年での成長が目に見えてわかるような結果となりました。ここまで見ていて思ったのですが、今回審査員全体がかなり上限高めな採点でしたね。松本さんに関しては1組目のニューヨークに82点をつけているんですが、それでも90点代を連発していて、やはり2、3組目にかまいたち、和牛が出たことで点数のボーダーが上がり切っているように感じました。

 

本来ここまでハードルが上がってしまうと、後に出てくるコンビは自然と点数が落ちていくんですが、今回はどのコンビも強かった。改めて準決勝の審査員さんがすごくいい仕事をしたんだなと思います。

 

 

【7組目 ミルクボーイ】

ここで来ましたミルクボーイ。私の中でかまいたちと並ぶ優勝候補でした。(こんなこと後で言ってもあんまり意味ないですが)

私は彼らのネタは、爆笑をかっさらうかスベるかのどっちかしかないと思っていて、中途半端な笑いにはならないと思っていました。なので始まる前は、どうか大爆笑の方へ転んでくれと思っていたのですが、そんな心配はいりませんでしたね。

 

ボケの一つ一つが大爆笑、爆笑に次ぐ爆笑で、それでも息つく間もないというわけでもなく、こちらに一呼吸置く間を提供してくれる。それがすごいんですよね。普通なら一旦落ち着いてしまうと、また笑いを積み上げていかなければいけないんですが、ツッコミが丁寧で的確なおかげか、リセットされずにMAXの笑いが起こるんです。

 

ネタの中身ですが、母親が好きな食べ物の名前を思い出せないから、その特徴をあげていくというものなんですが、本当にただしゃべくりだけで展開されていきます。そこに派手な動きなどは一切ありません。それがなんだか昭和の漫才も思い出させるんですよね。昭和生まれの方は懐かしくも感じると思います。それでもツッコミは最近の流行通りキレのあるツッコミで、本当にこのテンプレートを生み出しただけでも素晴らしい功績です。

 

最後のオチも、シンプルなんですがそのシンプルさが面白いんです。これも舞台によってはウケたりウケなかったりなんですが、あの場では最高のオチとして機能していました。本当に面白かった。

 

時々映る審査員方の表情も印象的でした。松本さんに関しては驚きも混じった顔が一瞬映ったんですが、あれはこんなコンビがいたのかという驚きだったんでしょうか。

 

そしてものすごい点数が出ました。歴代最高得点というのももちろんなんですが、審査員全員が96点以上をつけたのはすごいです。あれは出番が最初の方だったら全然違う結果になっていたでしょう。この点数が出た瞬間、「あぁ、これはもう優勝の勢いだ」と言うかのように頷きました。

 

どの方々も高評価だったんですが、本当に批判するところがないくらい完璧でしたね。間の取り方とか、話のスピードとか、小さいながらも入っているジェスチャーとか。本当にあげればキリがないくらい綿密に計算された漫才でした。あの舞台で、初出場で、しかも今年初のテレビという場面で、あれだけの漫才をやられたら、そりゃあもう誰も勝てませんよ。

 

本当に素晴らしかったです。

 

ということで今回はここまでにしておきます。

長々と失礼しました。