ともかく、今日は初の班任務だった上に
超常現象が起こりすぎて疲れてしまった。

休むことにしよう


紅い血が飛び散る。
彼女が最後に紡いだ言葉は
とうとう音にはならなった。

しかし、伝わってしまった。

ーー生きて

たったその三文字。

彼女が願うのは、自分が助かることではなく
俺が生き延びることであった。

目の前で、妹が殺される。
もう何度目かわからない。

あの華奢な喉元を、白い肌を
切り裂いたのは兄の法力武器だった。


「っ!?」

気がつくとベッドの上だった。

横には椅子に腰掛けて居眠りをする
妹そっくりな姿があった。

「…」

どうやらあの一件以来しばらく
眠りこけていたようだ。

「…んん、…あ、起きたんですね…」

妹の声でしゃべる妹でないもの。

「…ああ。」

優しく微笑みかけてくる彼女。

「…昼間は悪かった。」

顔も合わせず
ぶっきらぼうに言い放ったが、
彼女は微笑みを讃えたまま
静かに首を振った。

「…名前は」

「アンジュです、助けていただき
ありがとうございます」

俺に殺されかけたのに
よく言えたものだと思った。