「ナショナル・フラッグ・キャリアー」と呼ばれ、日本を代表する航空会社だった日本航空が19日、経営破綻(はたん)した。日航再建を主導する企業再生支援機構は今後、大規模な人員削減など抜本的なリストラに踏み込み、破綻を招いた高コスト体質からの転換を図る。だが、破綻による信用低下で顧客離れが加速する可能性もあり、支援機構が目指す「3年以内の再建」は視界不良だ。【山本明彦、大場伸也】
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「負の遺産を総点検し、数字には表れないしがらみからの解放を実現できる」。瀬戸英雄企業再生支援委員長は、日航支援を決めた記者会見で力説した。
支援機構が大なたを振るうのは、「親方日の丸」意識につかった日航の高コスト経営。グループ従業員は3分の1を削減、13年3月期の連結売上高も09年3月期の約3分の2として、経営規模の大幅な縮小を図る。従業員や売上高は、現在の全日本空輸並みとなる。
日航のシンボルでもあったボーイング747(ジャンボ)は全37機を速やかに退役させ、機材小型化を急いで燃費を改善。不採算路線は国際線14、国内線17を削減し、落ち込んだ需要に見合った大胆なスリム化を進める。
10年3月期には、退役させる大型機の償却費用などに4150億円、人員削減なども含め高コスト体質から脱却するためのリストラで総額1兆1300億円を特別損失として計上する見通し。財務基盤悪化を補うため、支援機構から3000億円以上の出資を受けて債務超過状態を解消する。09年3月期から13年3月期までに燃料費約2600億円(約52%)、人件費は約470億円(約17%)圧縮し、900億円規模の営業利益をひねり出す。
さらに現在は米アメリカン航空が相手の提携戦略も見直す方針。日米路線でシェア約32%の米デルタ航空と提携し、重複路線の統合などを進める案が有力で、仮にこれらが実現すると「新生・日航」の姿は様変わりする。
米航空業界も01年の同時多発テロと原油高に直撃され、デルタやノースウエスト航空、ユナイテッド航空などが相次ぎ米連邦破産法の適用を申請した。だが、デルタはパイロット給与の1割以上の削減や債権カットを断行し、破綻から1年半程度で再建を完了した。
しかし、法的整理を「債務削減の手段」と割り切る米国と、「倒産」のイメージが根強い日本では事情が異なる。この年末年始の国際線旅客数は、全日本空輸が前年比8.7%増を確保したのに対し、日航は11.8%減。主力行幹部は「イメージダウンで顧客離れが進んでいる」と指摘する。
支援機構は5年後の旅客収入を2割減にとどまるとみるが、コスト軽減を図った後、国際線を維持しながらどう収益を上げていくのか、といった成長戦略が見えない。「再建期間中に機材などで先行投資を進める全日空との差が開けば、支援機構が描くV字回復の達成は難しい」(証券アナリスト)。日航新会長に就く稲盛和夫・京セラ名誉会長は航空事業の経験がなく、法的整理で顧客離れが加速し、収入が想定を下回れば、2次破綻に陥る可能性は否定できない。
◇ダイヤ、運賃…当面維持
政府と支援機構は、日航の法的整理に伴う混乱回避に全力を挙げている。支援機構は、利用者のマイレージや燃料取引の債権などを保護する方針を既に発表。政府も19日、「運航の継続と確実な再生を図るため、必要な支援を行っていく」との声明を発表した。
無料航空券などに交換できるマイレージは有効期限内ならすべて保護される。会員が09年12月末で約2200万人と広く普及していることに配慮し、ローソン、イオンなどで商品が購入できるポイント交換も当面は維持される。ただ、日航の負担軽減のため、交換比率は引き下げられる可能性がある。
国内線の普通運賃が半額になる株主優待券は昨年発行分の有効期限である5月末まで使える。同社の個人株主は09年3月末で約38万人に上るが、100%減資で株式の価値はゼロになるため、今後は優待券や配当金をもらえなくなる見通し。積立額に2・5%を加えた旅行券を受け取れる「旅行積立」は継続される。運航ダイヤや運賃も当面は変更しない予定。既に搭乗予約している人も予約内容通りに搭乗できる。
02年6月に民事再生法の適用を申請したエア・ドゥ(本社・札幌市)の場合、当時はマイレージがなく、運航ダイヤや運賃にも変更はなかったため、混乱は見られなかった。ただ、日航は、はるかに規模が大きく、30カ国超に国際線を展開している。日航の信用力を背景に代金を後払いしていた燃料などで突然、現金決済を迫られるなどの懸念が残る。
01年10月1日に破綻を発表したスイス航空は、翌日から1日半、世界各地で運航が全面停止。世界で5万人以上の利用客に影響が出た。燃料費が確保できなかったほか、英国では空港使用料を支払えず、当局から航空機を差し押さえられた。
こうした事態を防ぐため、燃料取引の債権は保護し、業者の不安を抑え、燃料調達に支障が出ないようにする。支援機構などは6000億円の融資枠を設定し、現金決済にも応じられるようにする。
政府は、日航が就航している国・地域に対し、安定運航に向けた協力を要請。燃料や航空機リースの債権保護の周知に努めている。仮に日航便の運航が停止した場合は、全日本空輸など他社に代替輸送を依頼する方針だ。
主要旅行会社は日航機が万が一、飛べない場合は、別の航空会社を手配して対応するほか、日航機を使ったツアーが中止になった場合でも代金を全額払い戻す方針だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100120-00000001-maip-bus_all
*しかし、これまでポイントを集約してマイルに交換している自分には非常に先行きが
不安ですね。。やはりANAが懸命でしたね(@@)JALの再建を見守りたいです。。