短編小説ですけど
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http://ameblo.jp/gegegeromann/  はじめてのあふぃりえいと


ある男

―――― ん?なんでこんなとこに寝てるんやろ俺・・・いてててて。あぁ、喧嘩して気失ってもうてたんか・・・しゃあない。よっこら・・・・・・あれ?声が出ん。あれ?あれ?おーい!おーーーい!!


12月20日火曜日晴れ。多分午前2時くらい。俺は狭くて臭い居酒屋の裏口あたりで目を覚ました。あちこち痛い。しかもこの通り、なんか声が出ない。

とりあえず俺は駅に向かって歩き出した。

思っていたよりも喧嘩は激しかったらしい。覚えてはいないけれど。左足首が猛烈に痛くて、引きずりながらもなんとか歩いた。もうすぐ駅。

そんな時だった。誰かが近づいてくる。人気の少ない深夜の路地では、うつむいていても音でわかる。

「おい!!」

顔を上げた。

「どうしたんや。何したんや?」

ポリか。そんなこと聞かれても俺は今答えられないんだよ。

「・・・・・・。」

「ん?なんやどうした?」

大阪弁。もう特別違和感を感じることもなくなったこの言葉。自然に口から出るのもこの言葉になっている。今は話せないけれど・・・

「・・・・・・。」

「腫れてるな。喧嘩か。あかんでそんな歳になってまで喧嘩とか。」

―――― え?そんな歳って?俺今何歳よ?あれ?あれ?あれ?あれ?おかしい。何も考えられへん。ってかわからへんっていう方が正しいか。まさか・・・そんな・・・

「ん?しゃべられへんのか?じゃあ・・・とりあえず一緒に来てもらおか。…ってこら!どこに・・・おい!待て!!とまれ!!」


どれだけ走ったかわからない。火事場のバカ力ってほんとにあるんだな。足痛いのに。ふぅ・・・あれ?なんで逃げたんだろ。おかしいな。何か俺には特別逃げなければならない事があったような…うーん。

わからない。ってかここどこだよ。

くそっ!わかんねぇ。どこに住んでて何をしてて…自分の全てが…わからない。

記憶を無くしたのか。わかることは自分が大阪の人間じゃないことだけ。喋ろうとする時は大阪弁でも、考えているときは標準語だ。

さぁどうしようかな。とりあえず…トイレ行こう。記憶無くす前にきっと酒飲んでたんだな。考えてもわからないんだったら動かないと。公園とかならすぐに見つかるだろ。


                                                      続く

プロローグ

誰かの愛に餓えている独りの男の話