レコード芸術
1974年1月号
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1973年のレコードアカデミー賞をめぐる考察を各セクションの主筆がまとめています。そして、73年までは交響曲部門は村田武夫氏が担当ということでまとめています。この年は全集者が数多く発売されていました。Safari種のシューマン、バーンスタインのチャイコフスキー、シェルのベートーベン、また4歩のブルックナーなど数々が挙げられます。その中で1番まとまっていたのがノイマンとチェコフィルのドヴォルザーク交響曲全集だったと言うことになります。
管弦楽曲部門は、知識もカラヤンベルリンフィルのライニットアイ待って、キングと東芝からカラヤンの1000円版が退去して発売されました。それらはアカデミーの対象にはなってはいませんが、カラヤンの幅広い選曲のレコードが還元額の裾野を広げていたということでは、特筆すべきものがあります候補作の中から絞られたのは小沢パリカンの火の鳥全曲でしたが、バーンスタインの春の祭典、カラヤンのペールギュント組曲など注目する作品が登場しています。レコード芸術と歌う中で、ある程度の拡張高さが評価の基準のようで、カラヤンのグリーグやスッペの序曲集は除外されてしまいました。ただし、これらの録音は非常に優秀なので、1丁の価値があると思います。
この記事で、レコード芸術単独ではなく姉妹紙のステレオ誌との共同でのアカデミー賞の選定であることがわかります。ただ、この合議制は問題点が多いということもわかります。こと、協奏曲部門はアシュケナージの「皇帝」がリリースされながら中身よりも時期の問題が先に議論されているのはいささかがっかりです。個人的にはいまさらルービンシュタイン?と疑問符が付いたものです。そのアシュケナージ、全集は4枚組で6.000円という戦略的な価格で発売され即購入しました。ただし、時期的に原材料不足とぶつかり、廃盤になったレコードのレーベル部分をくり抜いたものが再生原料として使われていたこともあり、盤質はいまいちだったように記憶しています。
以後各部門の選評が続きます。各評論家の選定基準がどのようなものであったか、読んでいただければ分かるのではないでしょうか。
ここから下は1973年の推薦盤一覧です。多分こういうリストが公開されたのは初めてではないでしょうか。まだ、この時代は1月号の名物「レコード・イヤーブック」なるものは発売されていませんでした。また、レコ芸で横組みで一覧が掲載されたりは多分これが初めてでしょう。この当時はラジオ技術社から「ステレオ芸術」というライバル誌が発売されていて、発売レコードは寸評付きの横組みで見やすい一覧でした。どんなレコードがこの歳発売されて値推薦盤になっていたのかとくとごらんあれ!!