アンソニーの精神障害リカバリーの概念は、精神疾患を抱えていたとしても、人生の新たな意味と目的を再構築し、社会に貢献するというような「前向きな指向」を前提としている。
アンソニーは、精神障害リハビリテーションの基本原則を、9つ挙げている。
・精神障害を抱えた人の能力の改善
・当事者の必要とする環境における行動の改善
・さまざまなテクニックを駆使し臨機応変であること
・職業上の予後を改善する
・希望は不可欠な構成要素である
・熟慮されたうえでのケア提供者への依存は自立につながる
・当事者の参加
・当事者の技能開発と環境的支援開発
・薬物療法(必要であるが、十分条件であることは稀である)
精神科リハビリテーションは、基本的にチームアプローチである。チームは、多職種で構成され、更にインフォーマル資源も加わる。
リハビリテーションは、回復期から行うのではなく、治療と同時に行う。