医療機関の実習では、社会復帰を目指している方と沢山関わりました。

 

とにかくコミュニケーションを取らないと始まらないので、一人ひとりにお話を伺ったのですが、

 

実習生として、最初から最後まで個人情報は一切わからない状態です。ご本人が話さない限り、休職中、あるいは求職中の仕事が、所謂「障害者枠」かどうか、も、もちろんわかりません。

 

いま思うことは、”あの場所で会わなければ、彼らが精神科病院で治療中の、病気の回復期にいる方だとは、全く気付かないだろう”という事です。

 

つまり、普段の生活で出会う人々の中にも、あたりまえに精神障害者がいるということです。

そして、精神障害者が地域社会で共生することは、まさに現代の精神保健福祉が目指すところなのです。

 

数十年前の日本では、精神障害者は、病院に隔離されていました。世界に大きく後れをとって、少しずつ福祉の法律が整えられていき、現在では地域共生社会が目指されています。

 

実習前には、私は精神障害者に出会う機会がないと思っていました。ここが大きな勘違いだったのですね。

 

精神病も他の多くの内科的な病気のように、見た目にはわからない病気です。ヘルプマークを付けていない限り、わからないです。

 

施設では、大勢のなかでストレスに耐えることや、話したくなくても話すこと、ときには笑いたくなくても笑うこと、それもタスクなのだと思います。

 

だから、実習生の私に対しても、本当に親切でフレンドリーで、誠実に接していただきました。

 

実習中に卒業して、職場復帰された方も数名いらっしゃいました。

復職するということは、もう「頑張って」って言われるということです。

 

短い期間だったけど、関わった皆さんの健康と幸せを、心から祈っています。