精神科疾患の受信から、診断に到るまでの一連の手続きは、

①適切な診断を導くために 

 面接(問診、病歴の聴取等

     神経、精神症状の評価)

 検査(心理検査、脳検査等)

 を行なう

②全ての知見を照合して、診断が成される

ということになります。

 

面接は原則、患者本人 (と家族)に対して行ないます。

本人が面接に応じることは、本人と医療側が同意して治療を開始するための、下準備となります。

 

問診、病歴の聴取は、医療関係者が患者本人や家族と面談する形で実施します。

 

まず、受診した動機(主訴)を、原則患者本人の表現をそのまま記載します。 

 

主訴からは、本人が何に困り、何を解決してほしいと願って受信したのか、あるいは病識の有無がわかるため、

それ以降の医療で何を行っていくかを決める上で、極めて重要です。

 

次に、症状が発現してから受診までに日常で生じている、具体的な症状の経過を、できる限り詳細に、また経時的に聴取して記載します。

気分等、主観的体験についても聴取します。(現病歴)

 

さらに、これまでに罹患した疾患等について聴取します。

服用している薬剤の有無、もしあれば用量等、確認し記録します。(既往歴)

 

その他必要に応じて、生育歴や家族歴、生活習慣等も聴取します。

 

そして診察の中核的な手続きである、現在の神経、精神症状の評価を、面接の中で行ないます。

精神症状の評価には、質問への回答の内容だけでなく、行動や表情、話の文脈など、患者が表出する情報を可能な限りすべて評価します。

 

また、検査には心理検査および脳検査がありますが、

検査においても、検査の意義などを本人および家族に説明し、同意を得る必要があります。