さまざまな地位の人々の間には、比較的安定した位置関係があります。そして各々の地位には、社会的に期待される、とるべき行動というものがあります。

 

この、ある地位にいる人に、社会的に期待される行動パターンを、社会的役割といいます。

 

社会的役割関係にある者達が、互いの役割をすれ違いなく了解している状態を、役割関係の相補性といいますが、

 

さまざまな役割関係が複合し、人も入れ替わるあらゆる場面において、この相補性を満たすためには、

 

社会全体の規範的な力による、社会的役割の共有を促す仕組みが必要となります。

この仕組みとは、”社会化”と

”社会統制”です。

 

”社会化”とは、人が、所属する社会に相応しい行動様式や、価値観等を学習する過程をいいます。

 

”社会統制”とは、社会生活において、その社会または集団の各成員が、秩序を維持するに相応しい行動をするための、手段や作用過程のことです。

 

社会または集団は、期待に背いた行動は処罰して再発を防止し、期待に適った行動は、報償してこれをさらに促すのです。

 

親のしつけや、遊び仲間の制裁は、インフォーマルな社会統制です。

一方、制度化されたフォーマルな社会統制の代表的なものは、刑務所や厚生施設です。

 

これらの機関は、市民としての役割から法的に逸脱した人々を、隔離・最社会化して、社会に復帰させることを目的としています。