認知症は、WHOのICD-10によると、”通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断等、多数の高次機能の障害からなる症候群”

と定義されています。


また、介護保険法第5条による

認知症の定義は、

”脳血管疾患、アルツハイマー病その他の要因に基づく、脳の器質的な変化により、日常生活に支障が生じる程度にまで、記憶機能及び、その他の認知機能が低下した状態をいう”

とされています。


認知症は、認知機能が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態であると言えます。


認知機能とは、ある対象を感覚器官によって捉え、解釈、思考、判断をしたり、計算や言語化をしたり、記憶に留めたりする働きのことです。


日本において、認知症の簡易チェックに用いられる検査として、長谷川式認知症スケールという認知機能テストがありますが、


その開発者である長谷川和夫は、著書の中で

”認知症になったからといって、突然、人が変わるわけではありません。昨日まで生きてきた、続きの自分がそこにいます。”

と述べています。


認知症に最初に気づくのは、本人であるといいます。失われていく記憶や能力に対して、不安や悲しみを感じているでしょう。

これまで出来ていたことが

出来なくなっても、感情はあり、自尊心もあるのです。


認知症の方を、現実の世界に対応させようとするのではなく、本人の持つ世界を理解し、それに合わせた対応をしていくことが大切だということです。