人の愛着スタイルとは、主に幼少期における、母親的役割の人との関係性から形成される行動様式です。


愛着(アタッチメント)理論は、イギリスの精神科医ボウルビィが提唱したものですが、精神医学の臨床的な問題の解決に、役立っています。


母親的役割の人とは、血の繋がった母親に限らず、父親や、他の養育者ということもありますが、

幼少期において、子どもの心に形成された愛着スタイルは、大人になってからも、他の人との関係性の作り方に引き継がれていくというのです。


安定した愛着スタイルとは、自分が求めるときに愛情を与えてくれる人を安全基地として、外の世界を冒険しに行き、もし失敗して逃げ帰っても、その人が温めてくれるという育ち方です。


このように育った人は、情緒が安定し、困ったときには助けを求めることができます。


しかし自分が求めるときに、冷たく突き放されたり、不安定な環境で育てられた人は、大人になっても、常に相手の顔色をうかがったり、相手に見捨てられるのではないかという不安を持つようになってしまいます。


さらに、母親的役割の人がいなかったり、情緒的なやりとりがほとんどない状態で育った場合、大人になってからも、人が助けてくれるという発想がなかったり、どうせ上手く行かないと諦めてしまうようになるといいます。


不安定な愛着スタイルを持った人は、ストレスや変化に弱く、心の病を発症しやすいとも言われています。これは、他人の助けを求めることができないからだとも言えます。


不安定な愛着スタイルに苦しんでいる人は、どのようにその心を癒やしていけば良いのでしょうか。


そのためには、安定した愛着スタイルを持った人、自分を受け入れてくれる人、そんな人の近くにいることがプラスになるといいます。


そのような人と一緒にいることにより、不安定な気持ちが癒やされ、健康な人間関係を学んで行くことができるのです。