学校でのいじめが社会問題として認識されたのは、1980年代半ばです。 


いじめは、”同一集団内の相互作用過程において優位に立つ一方が、意識的に、あるいは集合的に他方に対して精神的、肉体的苦痛をあたえることである”

と定義されています。

 

現代型のいじめの特質として、

特定の子どもだけでなく、

”どの子もいじめる可能性、いじめられる可能性があること”

が挙げられています。


しかし、いじめは加害者と被害者の二者関係だけで捉えることはできません。


いじめに直接手を加えないが、はやし立てることで火に油を注ぐ存在である”観衆”、

そして知らぬふりを装う

”傍観者”


このふたつをを加えた四層構造として、捕える必要があるといいます。

 

実際いじめ被害の多さは、傍観者の人数と最も高い相関関係を示す、という調査研究があり、

いじめの抑制には、傍観者を含めた、周りの子どもたちへの働きかけが重要だということです。


近年頻繁に耳にする”ハラスメント”も、大人のいじめとして捉えることができます。


パワハラ(パワーハラスメント)は、”職務上の地位または職場内の優位性を背景にして、

本来の業務の範囲を超えて、継続的に、相手の人格や尊厳を侵害する言動を行うことにより、就労者に身体的、精神的な苦痛を与え、従業内容を悪化させる行為”のことです。


職場の人間関係は、人々の主観的な状態に、重大な影響を及ぼします。

パワハラを受けた人は、極めて強いストレスを感じ、離職や精神疾患の発症に結びつくこともあります。


パワハラもいじめと同様、加害者と被害者の二者関係で捉えることはできず、人権や労働者の権利を軽視する、決して看過できない組織の問題として捉える必要があります。