パーソナリティという言葉は、日本語でいうと”性格”ですが、
その語源はラテン語の”persona”
(仮面)です。
この語源からくる意味は、
”性格"とは、”仮面を付け替えるように、場面や状況によって変化するもの”、
つまり環境が影響しているものであることを含んでいます。
福祉において、パーソナリティの理解は、援助が必要な人を理解する上で重要です。
性格とは生まれつきのものか、環境が作りだすものか。
そのどちらの側面もあることを念頭に置いて、支援をすることが求められます。
人間の行動を、単純化して理解することは、”類型論”
という視点になります。
類型論に基づく対人理解は、専門的な知識がなくとも、結果が容易に確認できるのが特徴です。
類型論は、支援する専門職間の情報共有も、効率的に行なうことが可能です。
しかし同時に、一面的な捉え方により、表面的な理解に留まりやすいといえるでしよう。
一方、行動はその時の環境に左右されることもあり、人間には様々な側面、いろいろな顔がある、という考え方もあり、それを代表しているのが、
”特性論"です。
福祉的な支援の対象になる人は、問題に直面していることが多く、支援者は、その問題に直接関わる人格の側面に注目しやすい。
しかし、人間の行動には様々な側面があり、その人の潜在化した可能性を引き出すことに
支援を繋げるためには、特性論の視点に立った対人理解は重要です。
特性とは、個人の思考や感情、行動の一貫したパターンを示す傾向であり、個人差そのものであると考えられています。
特性を明らかにするための研究により、現在では、人間の誰もが持つといえる特性は、
・神経症的傾向
・外向性
・開放性
・協調性
・誠実性
の5因子ではないか、という説が定着しつつあるということです。