リハビリテーションの元来の意味は、失われた地位の回復、権利や名誉の回復・復権です。


リハビリテーションが、社会福祉や医学、医療との関連で、

”心身に障害を残した患者が、心理的、社会的に再適応し、社会復帰すること”

という意味で使われるようになったのは、20世紀以降のことです。


20世紀前半、リハビリテーションの対象は、戦傷による肢体不自由などでした。戦後の復興期には、労働災害、交通事故による外傷などが対象となりました。


その後、高齢化社会が進むにつれ、がん、心臓病、脳血管疾患、認知症などが対象に加わり、さらに生活習慣病や、フレイルの予防が加わりました。


リハビリテーションの目的は、日常生活動作(ADL)の改善と、生活の質(QOL)を高めることにあります。


単に身体面の機能の回復ばかりではなく、生活活動、社会参加、職業復帰、さらには心理的側面までを、できる限り高めていくことを目的とするものです。


ADLとは、食事、更衣、移動、排泄、整容、入浴など、ひとりの人間が独立して行なう基本的な動作群のことです。

それぞれについて、自立、部分介助、全介助のいずれであるかを評価します。


QOLとは、主観的な幸福感であり、身体的、精神的、社会的、環境的な要因など、全てを含めた生活の質を意味します。