精神障害者は、ストレスによる影響を受けやすい脆弱性を持っています。


精神障害は、治療によって機能障害が改善することもありますが、本人を取り囲む環境が好転することにより、活動と参加の機会が確保され、機能障害が改善することもあるのです。


一方で精神障害は、障害が固定化しないため、昨日出来ていたことが、今日は出来なかったりすることがあります。


精神障害は、障害の程度が重くなることもあれば、軽くなることもある、可逆性のある障害ということができます。


精神障害は、環境因子との相互作用により、機能障害、活動制限、参加制約が生じることが多いと言われています。


周囲の人との人間関係なども、環境因子のひとつですが、精神障害者は、人間関係の影響を強く受ける傾向にあります。


そのため、人間関係という環境因子を、当事者にとって好ましい状態にすることができれば、活動と参加が促進され、心身機能が高まるようになるでしよう。


また、ある環境ではできることが、異なる環境ではできなくなるということも、よくあります。


病院や施設で入念に準備していたとしても、実際の場面では、身につけたはずの能力を、活用できないというようなことです。


精神障害者への支援においては、模擬の場で訓練するよりも、先に本人の望む環境を確保し、そこで求められる技能を、実際に活用する場で、サポートを得ながら身につけていく、というやり方が重視されてます。