嗜癖とは、ある特定の物質や行動に伴う快感や刺激を得ることにのめり込み、健康や社会問題を引き起こすようになった状態をいいます。
物質依存と行動嗜癖があり、いずれも渇望、コントロール障害、耐性、離脱症状といった、共通する特有の症状があるといいます。
アルコールやニコチン、薬物、ギャンブルなどが挙げられますが、行動嗜癖に類似した疾患には、買い物嗜癖や窃盗症などがあります。
2013年、アメリカ精神医学会のDSM-5において、”今後研究の必要がある”とされる項目に、インターネットゲーム障害という名称が掲載されました。
2019年には、WHOがICD-11に、ゲーム症(障害)を正式な疾病として、”物質使用および行動嗜癖による障害”に分類しました。
嗜癖に関しては、自己治療仮説という理論があります。うつや不安、恐怖、緊張、焦燥感といった感情的苦痛の緩和作用があり、嗜癖は孤独な自己治療である、という理論だそうです。
社会生活や家庭生活のなかで、生きづらさを抱える人は、その要因として他の依存症を持っていることもあり、
一人ひとりの生育歴や、生活環境の評価を含めた支援が必要です。