ボランティアに行ってる高齢者グループで、
最高齢はYさん、96歳です。
とても陽気で、めちゃくちゃポジティブな方。120歳まで生きるというのが口癖です。
その日は工作だったのだけど、Yさんがいつもの文句を言いだしました。
”私、こういう細かいことは苦手なの”
Yさんは絵手紙とかスクラッチアートとかが嫌いなんです。その代わり、朗読とか台本読みとかはお得意です。
”こういう、面倒くさいのは大嫌い”
”なんだかボケボケになっちゃって”
”いろいろ面倒くさくて、早く天国に行けないかなーって思っちゃう”
Yさんらしからぬ発言に、あれれと思った私が言葉を返す前に、
”天国って、なんだか楽しそうじゃない?”
なんて笑っているYさん。
”まあ、そんな感じもしますけど…、まだちょっと早いんじゃないですか?”
”そうね、まだ早いわね”
しばらくお話しながら、一緒に工作をしていると、”○○ホームって、ご存じ?”
○○ホームは、私がボランティアを始めるきっかけになったけど、結局コロナで行かれなかった老人ホームです。
”知ってます、新しくてきれいな所ですよね”
”そうそう。私、そこにお泊りしてきたの”
なんでも、一緒に住んでいるお嬢さんがお出かけだったので、何かあってはいけないということで、ショートステイをしたらしいのです。
”4泊5日して、昨日帰ってきたのよ”
これまでの経験から、ショートステイに行きたくないという方が、結構いらっしゃるのは知っています。
”何かお楽しみはありましたか?”
”なーんにもしないの、お話するだけ”
やっぱり楽しくはなかったのかもしれません。
それでさっきの天国発言かー。
でも、ちょっとは気を取り直してもらいたかったので
”お食事なんかも、出るんですか?”
”そうそう、朝はご飯とパンと選べてね”
”私はパンにしたんだけど”
”あ、それはいいですね”
どうにかいつものYさんに戻ってくれました。
同居しているご家族の心配もわかるし、でも、老人ホームの環境に馴染めない気持ちも、わかる気がします。
この経験にめげずに、元気に脳トレに通ってきてほしいと思います。
使用期限が2021年5月の
オロナインがあった