少し前ですが、七夕飾りをしたときのこと。
私がバイトしている高齢者施設で、
来所者全員に短冊を配って、願い事を書いてもらいました。
朝、テーブルの上に短冊を置いておき、
何回かアナウンスするのですが、午後になっても
それはテーブルの上に…
あまり関心が示されないので、
ひとりひとりに声掛けをしてみました。
”これに、願い事を書いてくださいね”
”何なの、これ?”
”七夕の短冊です。お星さまに願い事をするんですよ”
”あー(笑)”
その後、呼ばれたので行ってみると、短冊を渡してくれます。
「長崎に行きたい」
「心機一転、がんばろう」
ふむふむ、素晴らしい。
別の方向で、短冊を振りながら呼んでいる方がいました。
認知症が進んでいるHさんです。
Hさんは、ご飯を食べたことをいつも忘れてしまいます。
Hさんに呼ばれて行くと、たいてい、
”お腹が空いてるんです”
と悲しそうに訴えます。
”朝ごはんは召し上がりましたか”
”食べました”
”それじゃあ、お昼までもう少しありますから、暖かいお茶を飲んで
ゆっくりしていてくださいね”
”何にも食べていないんです”
”お昼は全部、召し上がれましたか”
”食べきれないんですよ”
”ご飯も一生懸命食べてくださいね、あとからお腹がすいちゃいますから”
Hさんはいつも、お昼は完食されています。
そんなHさんが、短冊を片手に、”これは何ですか”
”七夕ですよ。子供の頃、やったでしょ”
すると顔がほころびて
”ああ”
いつも悲しそうな顔をしているHさんが笑ってくれて、
こちらも嬉しくなります。
”これに、願い事を書いてくださいね
あとから笹に飾りますからね”
一日の終わり、集まった短冊には、皆さん思い思いの願い事が。
”リハビリがんばります”
”孫に会いたい”
”ここの運転手さんは、時間を守ってほしいです”
そして
”おなかがすいています”
お星さま願いを叶えてくださいまし
保育士の国家試験に申し込んでみた
チャンスは3年間で計6回だって
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