どこの高齢者施設もそうなのかもしれませんが、
70代といえば、若手です。
Aさんも、そんな若手のおひとり。
脳梗塞の後遺症で右半身に麻痺が残り、
リハビリで施設に通ってこられています。
最近まで現役でいらしただけあって、
頭はクリア、職員へのダメ出しも容赦がない。
入浴時、他の方のものと間違えないように
靴は袋に入れて各自のバスケットに入れておくのですが、
普通のスーパーで売っている買い物袋を使用しています。
”靴はこのビニール袋に入れておいてくださいね”
”これはビニールではありません。”
お風呂では
”それでは、シャンプーの方、お手伝いいたします”
”シャンプーの方、って、どっちの方なの?”
Aさんは、いつも正しい。
月に一度、全員体重測定をします。
この、月に一度というのが、
看護職員のシフトや、皆さんの来所日の兼ね合いで、
つい予定がずれてしまったりするのですが
Aさんは必ずリマインドしてくださる。
まるでデキる上司みたい。
先日、シャンプーのお手伝いをしていた時
”そろそろ、床屋に行かなきゃいけないな”
”若いころは、長く伸ばすのが流行ったこともあるけどね”
”Aさんも、髪を長くされていたんですか?”
”長くしてたよ”
ラブ&ピースの時代の方ですね。
そういえば、Aさんはカラオケ大会には参加されたことがないのですが、
ときどき、誰かの歌声に合わせてハミングしていることもあり
この前は、「若者たち」
〽君のー行くー道はー、果てしーなくー遠いー
そして先週、さっぱりと短髪にしてこられました。
国家資格に超憧れてるんだけど
3年しないと、テストも受けられないらしい
週数日のバイトだから、マジ無理
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