「愛別離苦」とはなんでしょう。

仏教用語だそうです。親子、兄弟、夫婦、など愛する人と別れる苦しみ。

仏教の八苦の中のひとつなのだそうです。

 

愛別離苦という言葉を知ったのは子どもが図書館で借りてきた本。

 

 

布団の中で子どもたちに読み聞かせながら涙で喉が「うぐぐぐ・・」と詰まってしまい。「おかーさん、なんで笑ってるの?」笑ってない、泣いてるんだっつーの!!

 

この本は神戸大震災のお話を書かれているようです。まさかこの十数年後に日本に東日本大震災が起きるなどとその時は思ってもいませんでした。

 

それでも土地柄、常に二度目の関東大震災は起きるものと思って毎年地域、学校での避難訓練がありますが。

訓練と実際とは大きすぎるほどの隔たりがあるものですね。人の心にも。

 

平凡で平和な日常の中で「ぼく」とぼくの家族と友達たちは突然大きな地震に見舞われました。いつも姑であるおばあちゃんと小さな齟齬のあったぼくのお母さんはその時に改めて「年寄りの知恵」を知ります。

「情けはひとのためならず」日頃おばあちゃんから聞かされていても合理的なお母さんやぼくたちはそのときになって初めて実感します。

「愛別離苦」の哀しさ、苦しみもおばあちゃんから教わります。

やがて、混乱の後に少しづつ機能と気力を取り戻していく人々と町ですが。

ぼくたちは大切なものを引き換えたことを知ります。

 

それは崩れたビルや燃えた家々の間から立ち上っていく光の靄(もや)のようなもの。災難と困難の中で空に上がっていく光の靄(もや)と共にぼくたちも立ち上がって膝のドロをはらって、前を向いて歩き出さなくてはなりません。

それが愛別離苦の心を残して去っていったひとたちへのぼくたちのはなむけではないでしょうか。

 

 

拙い愛別離苦ですがたびたびわたしも形にしてみたくて描いてみました。

あは。ほんと拙いものですが。

 

エンジェル・ハート

 

ベルサイユのばら アンドレの死に寄せてSSポエム