はいはい、おまっとさん。作演出の橋本が裏話でもーのブログよ。興味ある人だけラッシャイ!ラッシャイ!
今回はストーリーを掘ってってみましょーん。
まず落語をモチーフにする事は決まったので、肉付けはその方向でやると考えて、じゃあ根本は何がやりたいのか?何を見せたいのか?
今までやったことの無い「夫婦」の話をしたいなぁと。落語の中でも「芝浜」の様な、旦那の方が「駄目な状況」なんだけど、お互い思い合ってて最後は仲直り…って流れにしたいなぁと。
タイトル「粗忽長屋」っぽいのに、ストーリーの源流は「芝浜」だったりして。
芝浜の、奥さんに久しぶりの酒を勧められて「いや、よそう…また夢になるといけねぇ。」ってオチに影響を受けてるんですよ。咲が「こっち見てよ!」それに対しての熊五郎の「顔見ないで行くよ…また好きになるといけないから…」ってセリフは。
話のあちらこちらに落語のエッセンスを混ぜ込んだつもりです。
栗原夫妻の馴れ初めの話は、現代版に書き直した「お花半七馴れ初め」です。
偽お葬式のくだりも、奈緒美さんがななちゃんに相談してるくだりは「厩火事」のエッセンスを。後半のセリフに「粗忽長屋」のオチのセリフが入ってきます。
「このおぶってるのが奈緒美なら、いったい私は誰なんだぃ!?」
あと奈緒美が変装している「外国の妖術使い」の唱える呪文が「死神」に出てくる呪文です。
「アジャラカモクレン、レイワノワ、テケレッツノパァ!」
レイワノワの部分は元号が令和になったんで適当につけてみました。落語家さんによって真ん中の部分が「アルジェリア」だったり「キタチョウセン」だったり違うので、皆さんもよかったら色んな「死神」の呪文を探して見て下さい。
前半部分の熊五郎と八が2人きりになる所は「現代版の熊さん八つぁん」で新作落語を僕が作るなら…と言う感じで書きました。話が続くのでオチはつけてませんが…。
まぁ兎にも角にもそう言った落語風味の肉付けをしながら根本は「夫婦」の話をしたかったんです。
登場人物ですが3組の夫婦が出てきます。
新婚の熊谷夫妻。
結婚して数年経った栗原夫妻。
長年連れ添った大家夫妻。
3パターンの夫婦が出てきます。それぞれの夫婦の問題や良さも書いたつもりです。栗原夫妻と熊谷夫妻の部分は分かりやすく書いたつもりです。物語の主軸ですし。
伝わったら嬉しいな…的に書いた大家夫妻について少し言うときたいな。
ドタバタなまさにコメディ!って感じの夫妻ですが…やっぱり源兵衛の、のぞきや下着泥棒にお種ちゃんが怒るのは嫉妬からなんだなぁと思います。変なババァは変なジジイを愛してるんだなぁと。
偽お葬式がバレた後にお種ちゃんが…
「男も女もそうじゃと思うが…いくら近くにいるとしても、構ってもらえんと寂しいもんじゃからな…。」
と言うんですが、この後ろで源兵衛がバツの悪そうな顔をするんです。まぁ反省したんですかね?変なジジイも変なババァの事を愛してたんですね、きっと。その後の…
源兵衛「ワシもお種ちゃんの事、大事だよ!」
お種「口だけじゃ信用ならんぞ!」
このやり取りで多分、仲直りしてるんですよ、この2人は。源兵衛はなんでも素直で口に出すタイプ。お種ちゃんは、ちょいと意地っ張りだったりするんですなぁ。
そしてエンディングのお種、源兵衛、ななちゃんのくだり。
ふりだしに戻る…的な。ラブコメの主人公とヒロインのループ感?高橋留美子作品的?らんまの最終回の感じ?実はそんな事考えながら大家夫妻の関係は出来上がっていったのです。
実は当日制作で入ってくれてた磯淵くんに源兵衛のキャラのモチーフの一つを言い当てられました。
それはまた次回に話しましょう。
はい!ストーリー編は終わり!次回がラストかな?キャラクターを掘り下げて見ましょう!
ほなまたねー!



