昨日、妻が某信用金庫の年金相談に行くというので、同行した。

 妻は現在61歳。国民年金は受給資格を得ているが、厚生年金は7カ月分しかかけていないので65歳にならないと受給できない。また、繰り上げ請求した場合の年金額を計算してもらうと、満期でもらうより、23%程度少なくなり、「あまりにも少ない額」ため、しばらくはこのまま(請求しない)ことにした。

 

 相談会には女性の社会保険労務士さんが相談に乗ってくれた。併せてジィジの年金のことも聞かれたが、「すでに繰り上げ請求している」と返答。その事情を説明した。

 3年前、慢性リンパ性白血病がわかり、入院。抗がん剤治療を続けたが、体に合わず、貧血などを引き起こしたため、分子標的薬に変更。仕事は休職し、傷病手当の切れる昨年12月をもって、会社を退職した。

 年金を繰り上げした大きな理由は「治療費」。分子標的薬は1カプセル1万円もし、高額医療制度を利用しても、毎月5万円以上かかる。給料の3分の1程度の傷病手当だけでは生活が苦しく、年金で賄うことにした。しかし、会社を辞めたことで、傷病手当は年金との差額分、差し引かれてしまい、失業手当を請求したことで、今月から年金がストップしてしまった。

 これらの話を聞いた社労士や金庫の女性職員は「そんなにかかるのですか?」「大変ですね」と気遣ってくれた。失業手当は240日間、支給されるし、「スズメの涙」ほどの退職金も手をつけていないから、今のところ、生活上、心配はないが、残された妻のためにも、ある程度、蓄えをしておいてあげたい。

 ジィジは「私は薬で生かされているようなもの。退職後はのんびり暮らそうと考えていたんですが、クスリ代(治療費)のために働かざるを得なくなった」と話すと、社労士は「無理なさらず」と心配してくれた。

 年金、傷病手当、雇用保険。いずれも必要なときに、当たり前にもらえると思っていたが、「併給はダメ」「差額を減額します」「年金アップの分、返還を」(協会けんぽ)といわれると、何のために掛けてきたか、わからない。