このところ、コロナウイルスが落ち着き、体調もよいことから、外出する機会が増えている。

 今まで昼間、買い物などに出かけることはめったになかったが、スーパーなどで自身の昼ごはんの食材(弁当)を調達するようになり、ある光景が気になった。

 それは高齢者の多いこと。買い物かご片手に男性1人で買い物(ジィジ)をしていたり、品定めしている老夫婦など。皆「半額」「3割引き」などと書かれたシールが貼られた特売品をお目当てに来ているようだ。

 「おつとめ品」は消費期限間近の食品。消費期限間近といっても体に害はなく、その日のうちに食べれば問題ない。店内には「特売コーナー」が設けられ、閉店間際になると、店員が陳列棚の商品に赤いラベルを張り出すから、その後を追うように買い物客が群がっている。

 このほか、年金支給日にはATMやパチンコ店の前に長蛇の列ができている。これらの背景には日本の貧困事情がある。物価高に賃金や年金の上昇率が追い付いていないのである。

 あるスーパーでは以前まで鳥インフルエンザの影響などで「1人2パックまで」限定されていた卵が、今は「おつとめ品」として売られていた。要するに卵がダブついてきているのだ。卵だけでない、季節野菜をはじめ、他の商品も過剰生産により、モノ余りになっている。 

 期限が過ぎた食品は廃棄処分の運命。「もったいない」話である。