きのう、愛犬ビリーがうちにやってきて、ちょうど1年となった。

 昨年の今ごろ、うちの畑の近くの竹薮で火事があり、残り火がないか、あたりを点検していたところ、2匹の黒い子犬をみつけた。2匹は白い野犬の群れと一緒に田んぼにいた。かねてから犬を飼いたかったジィジはうち1匹を保護した。




 3年前、2匹の犬を病気や老衰で亡くしたばかりの我が家。妻は「悲しいめに合うのはイヤ。もう犬は飼わない」と言っていた。しかし、子犬の姿をみて「しょうがないわね」「お風呂、入れてあげましょう」と泥まみれの子犬を風呂場に連れてゆき、きれいに汚れを落としてくれた。

 我が家では犬を飼うには条件があった。①保護犬②オス③中型犬。この子犬はいずれの条件も満たしているようにみえた。動物病院に連れてゆき、診てもらうとオスで、足の長さから中型犬くらいになりそう。獣医は「こんな野良犬、めったにいない。よくみつけましたね。大切に飼ってあげてください」といわれた。

 その後、狂犬病、フェラリアなどの予防注射を受け、定期的に動物病院で検査もしてもらった。今のところ、病気もせず、「すくすく」と育っていった。


 「すくすく」と書いたが、こんなに大きくなるとは思わなかった。体重は20㌔以上、近所のひとからは「警察犬」「大型犬」と呼ばれている。力も強く散歩の際もひきずられているようにみえる。大きくて強そうだが、非常にやさしい性格。ムダ吠えしないし、噛んだりもしない。今までの中で一番飼い主に従順している。

 

 ビリーは朝、散歩に行きたくなると、寝ている倉庫の電気を自分でつける。電灯のスイッチが高さ120㌢ほどの高さにあり、2本立ちでスイッチを押す。散歩にゆくとゴミ拾い。道路脇に落ちているペットボトルやレジ袋を自宅に持って帰る。感心、感心。

 ビリーは病人であるジィジの健康維持に貢献している。朝夕の散歩は日常生活のリズムを作っているし、足腰の鍛錬にもつながっている。そして、何より癒しを与えてくれる。

 ビリーはまだ1歳。

 ジィジはあと、どれだけ生きられるか、わからないが、いつまでも一緒にいたい。