25日、地元の湖岸で散弾を被弾したコハクチョウ1羽が見つかった。国内で狩猟対象にならないコハクチョウが撃たれたケースは珍しく、発見現場は鳥獣保護区。動物保護法違反の疑いもあり、県や警察が調査に乗り出す。
コハクチョウはカモ科の大型水鳥で、全長約1・4㍍。ロシアの北極圏で繁殖し、越冬のため、地元には毎年、500羽前後が飛来する。県のレッドデータブックでは希少種に分類されている。被害を受けたコハクチョウは胸に散弾2発を受けたものの、快方に向かっているという。
当社はこの事件の情報をいち早く入手し、取材しようとしたところ、市から「待った」がかかった。「野生鳥獣の担当は県」と発表できないという。
この背景には重大事件ゆえ、市は「余計なことにはかかわりたくない」ということが見え隠れ。「発表したら、マスコミや市民からの対応ができない」という思惑が見え見えで、及び腰だった。
しかし、重大な事件、世の中に警鐘を鳴らすためにも関係者の協力を得て、報道することができた。
地元ではコハクチョウ、オオワシ、オオヒシクイが飛来することで、冬場、多くの愛鳥家がカメラ片手に訪れる。そんな中、今回の悲報を受け、胸を痛めている。
地元住民からは「バーン、バーンという銃声のような音が以前からしていた」「不審な車がよく来ていた」などの声もあった。
猫の虐殺、矢ガモなど動物に関する痛ましい事件は絶えない。
どういう形でこのような事件に陥ったのか。真相は捜査関係者により明らかにされるだろう。