日曜日、市内の子育て支援センターは1カ所しか、開所しておらず、予約制。行く場を無くしたジィジと娘親子は最寄りの図書館で開かれる「お話会」に参加した。
ここは絵本や紙芝居が充実しており、お話会専用のコーナーまである。開演まで時間があったので、孫が大好きな「おかあさんといっしょ」の雑誌などを手にとっていた。
図書館の職員だろうか「もうすぐ、お話会がありますから。よかったら聞いてください」と誘われ、お話コーナーには高齢の女性数人がおり、本番を待っていた。
女性たちは読み聞かせのボランティアグループのメンバーで定期的に会を催している。時間になり、数組の親子が集まり、お話会が始まった。
参加した子どもたちは0歳から3歳くらいまでの低年齢層。日本語は十分理解できていないはず。
会が用意した最初の絵本はヨーロッパの話を和訳したもの。女性は「皆さんにはちょっと難しい内容かも」と切り出した後、いきなり語り始めた。
しかし、その登場人物は外国人で、場面も日本と異なる生活環境。ジィジは「ああ、やっちまった」と心の中でつぶやいた。
案の定、孫は少し話を聞いただけで、中身がわからないものだから、すぐに動き始めた。他の子どもたちも内容が入ってこないようで、じっとしていられない。参加者の中には「場の雰囲気をつかむため、最初はもっとやさしい内容にしてほしかった」という声もあった。
しかし、女性はそんなことはお構いなし。淡々と本を読み続ける。結局、孫はほんの数分で飽きてしまい、動き回るように。
周りの人は「落ち着きのない子ども」と思っただろうが、ジィジは孫の態度は当たり前だと思った。叱ったり、制止することなく、一緒に部屋の外へでた。
図書館の職員は「まずい」と感じたのだろう、ジィジらを慌てて追いかけてきて「違う図書館でも、お話会を開いていますから…」とスタンプラリーの用紙を手渡してくれたが、再度、行こうという気にはなれなかった。
ボランティアさんたちが子どもたちのために開いてくれているお話会。ありがたいことだ。しかし、主役は一体、誰なんだろうか?ちょっと残念なお話会だった。