朝ぼらけ、きょうも愛犬ビリーとの散歩で1日が始まった。

 ビリーは隣の倉庫で寝ており、毎朝3時40分ごろになると起き出し、ジィジが寝ている部屋のドアを叩く。

 部屋の中は寒いから、ジィジは布団の中でエアコンのスイッチを入れ、少しあったまったら、準備開始。あったかいコーヒーを飲んで目を覚まし、防寒対策の身支度を済ませ、白い息を吐きながら、2人で暗い夜道を歩き始める。

 

 散歩コースが決まっており、約1時間、暗いあぜ道や堤防などを歩く。最後に自宅が近づいてくると、ビリーはおもむろに道路脇に落ちているペットボトルを拾って、口にはさんで持って帰る。これがここ3日間ほど続いている。

 ペットボトルは草むらの中に潜り込んでおり、一見わからない。ビリーは、においでわかるのだろう、上手に見つけてくる。回収してきたペットボトルは資源ごみの日に出す予定だ。

 

 娘と孫の帰省で、倉庫暮らしとなったビリー。自宅にいたときは妻が時無しにおやつを与えていたが、別居を機に朝夕2回の食事以外、何も与えないようにした。

 その理由は周りから「大型犬」「猟犬」「でっかい」などと言われるようになったから。そういえば胸周りが幾分分厚くなったかも。

 人間でも肥満は大敵。生活習慣病にならないために、規則正しい食生活をさせ、ドッグフードに蒸し鶏をプラスしたヘルシーな食事だけにした。その効果はすぐに現れ、スリムで筋肉質な体つきになった。今までドッグフードを残した場合もあったが、完食するように。毎月、数千円かかったおやつ代も節約でき、家計を助けてくれている。

 今まで4頭ほど犬を飼ったが、これほど人との関わり合いが深かったワンちゃんはいなかった。そのせいか家族の車が駐車場に近づくと、迎えに出てくるし、ムダ吠えしたり、噛みついたりもしない。

 自分も家族の一員と思っているのだろう。拾ってきたペットボトルは「かあちゃん、ありがとう」という意味を込め、日頃のお礼かも。

 きょうも回収したペットボトルを自慢げに私たち見せるビリー。健気だ。