
2009年 日本 202分
監督:若松節朗
出演:渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、香川照之、木村多江、清水美沙、鶴田真由、柏原崇
(イントロダクション)
人気作家・山崎豊子の同名ベストセラー小説を、主演の渡辺謙はじめ豪華キャスト陣で映画化した社会派ヒューマン・ドラマ。腐敗した巨大組織の中で不条理にも翻弄されていく一人の男が、一企業人としての矜持と不屈の精神で立ち向かっていく姿を壮大なスケールで描き出す。監督は「ホワイトアウト」の若松節朗。国民航空の労働組合委員長を務める恩地元。職場環境の改善を会社側へ訴えていた彼はやがて、あからさまな懲罰人事で海外赴任を命じられる。それでも恩地は自らの信念を曲げることなく、任地での職務を全うしていく。一方、組合員として共に闘った同期の行天四郎は会社側に寝返り、エリートコースを歩んでいくのだったが…。
組合と会社の労使交渉のシーンをみていたら、
何だろうかイラッとしてしまった。
会社組織に翻弄された恩地、
自分の矜持の為にと誰がどうみてもわかる報復人事にも耐える決意をする。
自分以外の組合員に報復人事をしないと約束したにも関わらず、
組合員のほとんどが報復人事を受ける。
パキスタンの2年間の海外勤務が終わり日本へ帰れると思いきや、
イランヘ飛ばされ、さらにケニアに飛ばされる。
自分の矜持の為に心が折れない恩地、
でも奥さんから言われたことは、すごく辛かったはず、
それでもここまできたからには、耐えてやるとでも思ったのだろうか、
すごい精神力。しかし家族は崩壊寸前まで追い込まれる。
墜落事故の遺族にお詫びに社長が大阪へ行くシーンで、
遺族がいう言葉には、まさしく事故を起こした会社組織の現状を表すような言葉があった。
多分この言葉を恩地が聞いていたらどう思ったのだろう。
この映画は、矜持に固執しながら苦難を乗り切る恩地(渡辺謙)、
恩地と共に組合活動をしていながら、我が身が可愛いから会社に寝返った行天(三浦友和)、
同志だった2人が報復人事がきっかけとなり、恩地は変わらぬまま、行天は私欲の為に悪事に手を染めていく。
この今まで見たことない三浦友和のヒール役、お見事だったと思う。
ひとつの会社になぜ3つも4つも労働組合があるのか不思議で仕方ない、
普通の民間会社である常識というのは通用せず、
上層部の欲望の為に、常識を非常識に、非常識を正当に仕立てあげる人間があの会社をダメにしたのだろう。